毎年新入社員のタイプを分析し、ネーミングしている日本生産性本部は2016年の新入社員のタイプを「ドローン型」と命名している。

ネーミングの理由としては、経済が激しく変化する「強い風」の中でも、内定という「目標地点」に着いた者が多かったとの分析からである。また「夜間飛行(深夜残業)や目視外飛行は法律で規制されており、ルールを守った運用が必要」ともある。

もしあなたが若手社員たちの上司となった場合、部下に適切なアドバイスをすることができるだろうか。今回は部下にアドバイスする際に役立つ3つのコツを紹介する。

(1)タイミングをみはからう

アドバイスの仕方も大切であるが、タイミングもとても重要である。もし間違えれば相手にしっかりと届かないだけでなく、上司と部下の信頼関係にも影響が出かねない。それほどタイミングは大切である。

例えばある仕事を部下に任せた場合に、あなたはどのタイミングでするだろうか。人によっては部下に仕事を任せる際に、心配からか先読みしてかなり多くのアドバイスをしてしまう場合がある。しかし、部下にとってはまだ仕事を始めてもいないのに長々と話を聞かされるのはあまりいい気持ちはしないだろう。

部下の成長を阻害してしまう危険もある。本来であれば、部下が自分で考えて、問題を解決していき、成長につながる仕事のはずが、上司の過保護なアドバイスのおかげで考えることをしないマニュアル人間になってしまう可能性すらあるのである。

大切なのは部下を信頼し、仕事を任せることである。そしてアドバイスをするタイミングは部下が仕事で行き詰ったり、不安を抱えていたりする場合に有効である。上司のタイミングではなく、部下が必要とするタイミングに合わせるのが良い。このような時は受ける側もアドバイスを欲しがっているので、真剣に聞き入れるだろう。

(2)アメとムチを活用 ほめる時の注意点

アドバイスとは日本語でいうと助言・忠告である。「こうしたらうまくいく」といったアドバイスには言外に「今のやり方ではうまくいかない」という否定も含まれている。

そのため、部下のための言葉が部下に苦痛になっているかもしれない。

最近では相手の事をほめてからアドバイスをするということが推奨されている。いったんほめたほうが受け入れやすくなるのだ。

ただ実はほめることにも注意が必要だ。単純に「○○はいいが、△△は直したほうがよい」などと、“アメとムチ”を同じタイミングで使ってしまうと効果は減ってしまう。ほめるときと、アドバイスをするときは別の機会で使ったほうがいい。

(3)アドバイスし過ぎないために

相手に合わせて適切なタイミングで行うと頭では分かっていても、ついつい気になったことをすぐに後輩に言ってしまう。適切なタイミングでアドバイスをするために、ぐっとこらえるのも上司の役目だ。

キャリアカウンセラーの藤井佐和子さんは、自身のブログでアドバイスしすぎないための考え方として、「長い目を持つこと」ことを指摘。「今」を解決しようとせず、もっと長い目、広い目で見れば、「今、言わなくてもいいこと」が分かるというのだ。

「今」だけに考えをとらわれず、広い視野で後輩を見守ることも大切なのである。

山本五十六の指導法とは

最後に有名な山本五十六の指導方法を紹介したい。旧日本海軍連合艦隊司令長官として有名な山本五十六だが、彼の教育理念は現在でも様々な場面で活用されている。

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」

この言葉をご存知の方も多いだろう。上司が部下を指導するうえでの基本がこの言葉の中から読み取れるのではないだろうか。実はこの言葉は全体の一部であり、続きがある。以下がその続きである。

「話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず」

「やっている 姿を感謝で 見守って 信頼せねば 人は実らず」

いかがだろうか。何十年も前の言葉であるが、教育に対する根本的な考え方は今でも十分通用するのではないだろうか。

上司の仕事は部下のパフォーマンスを最大化することであり、部下へのアドバイスはとても大切だ。今回の3つのコツをぜひ活用して、部下から信頼される上司となり、業績向上につなげていただきたい。(ZUU online 編集部)