グーグルが米国外での企業買収のために数百億ドル規模の資金を保有していることが明らかになりました。これは、グーグルが米証券取引委員会(SEC)から米国外に保有する資金について問い合わせを受け、それに対して回答した2013年12月付けの書簡の中で明らかになったとのことですが、200~300億ドルもの資金を米国外に保有しており、それらは将来の国内外での企業買収に備えるためのものであるとのことです。実際に2013年、グーグルは50億ドルの企業買収を試みており、今後のグーグルの企業買収の動きに注目が集まっています。
今回の米証券取引委員会による米国外の保有資金に関する調査結果から、グーグルの企業買収に対する意欲的な姿勢が窺えます。グーグルが、保有している300億ドル規模の資金をどのタイミングで国外企業の買収に使用するのかについては現時点では明らかになってはいませんが、今後も事業規模の拡大のために何らかの投資戦略を対米国外路線で進めていくことは明らかであると思われます。
グーグル の提供するサービスはGmailやグーグル Mapsなど無償で提供されているものが多くありますが、グーグルの収益の約9割が広告収入から得られていると言われています。グーグルはそうした広告収入によって莫大なキャッシュフローが入ってくる構造を形成しており、そこから得られる潤沢な資金で過去にも企業買収を何度も行ってきています。こうした投資から、米国外市場からの利益を拡大させていく狙いがあるとみられています。
実際、2012年には売上高のおよそ半分が米国外市場によってもたらされたと言われています。グーグルは、この米国外利益を、Motorola Mobilityの買収が例にあるように、米国での買収に充てる資金としても利用しています。ちなみに、Motorola MobilityについてはLenovoに29億ドルで売却する方向で現在、手続きが進められているとのことです。
グーグルは、「規模拡大をけん引するのは米国外事業である」との見込みから、対国外の投資に強い意欲を示しています。このグーグルの投資戦略に対するスタンスというものは今後も確固たるものとして維持されると考えられ、それと同時に米国外に保有する資金の額もさらに増加していくものと思われます。
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