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(写真=PIXTA)

若い人の場合、「資産運用」よりも「資産形成」が重要だと言われる。しかし、収入が少ない場合、お金を貯めることは容易ではない。どのような点に注意して資産形成していくのか、そのポイントについて解説する。

資産形成は早く始めるほど効果が出やすい?

「資産運用」が既にある資産をどのように増やしていくかを考えるものであるのに対し、「資産形成」は資産がない人がどのように資産を作っていくかを考えるものである。資産形成は早く始めるほど効果が出る。それは、時間が資産形成に大きな力を与えてくれるからだ。「塵も積もれば山となる」という言葉があるように、少しのお金でもコツコツ何十年も積み立てていくと結構大きな額になる。これが、たとえば5年で資産を形成しなければならないとすると相当大変である。

ところが、「お金がないから」とか「投資はリスクがあるから怖い」と言って、消極的な若者が多い。若い人は長期運用ができるという強みがあるので、少しでも早い段階から資産形成に取り組むべきだ。

資産形成の考え方とメリット

まず、資産形成は漠然と始めるのではなく、たとえば「40歳までに1000万円を貯める」など目標を定めるとよい。目標がないと達成感がないし、お金が必要になったときすぐに引き出してしまうおそれがあるからだ。

次に、資産形成をする方法であるが、資産を形成するためにはその元手が必要になる。サラリーマンであれば、通常は会社からもらう給与ということになるだろう。この給与が上がれば、貯蓄や投資をしやすくなるので、収入を上げることも資産形成の重要な要素になる。しかし、収入に関しては自分の力だけではどうしようもない部分もあるので、次の対策としては費用(生活費等)を抑制するということがある。余ったお金で貯蓄をするのではなく、積み立てをした後に残ったお金で生活するよう努めることがポイントである。

最後は資産運用によって資産を効率的に増やすということだ。生活費を切り詰めても毎月貯蓄や投資にまわせるお金は限られている。そこで、ある程度のリスクを取りながらリターンを狙っていくことが重要になってくる。うまくいけば、資産を倍増させることも可能だからである。

以上の3点を意識しながら、まずは毎月一定の金額を貯蓄か投資に振り分けていく。そして、それを少しずつ増やしていけるよう努力する。貯蓄であれば、複利効果(利息にさらに利息がつくこと)によって資産は着実に増えていく。また、一定金額を投資する場合「ドルコスト平均法」といって効率的な運用をすることができる。ドルコスト平均法は、たとえば、毎月1万円と決めて投資すると、相場が高い時にはあまり購入できず逆に相場が低い時にはたくさん買えることから、何も考えなくても結果的に安値で購入できるというものである。