映画ヒットで株価も急伸

セグメント別では、映画興行部門でそれぞれ9スクリーンを備えた「TOHOシネマズ柏」(千葉県柏市)、「TOHOシネマズ仙台」(仙台市青葉区)にオープンさせた上、「ズートピア」「ファインディング・ドリー」など邦洋画の上映が好調で、営業利益が前年同期比0.8%増の65億6800万円となった。

また、映像事業では、「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」「バクマン」などのDVD、「シン・ゴジラ」などヒット作品の劇場用パンフレット、キャラクターグッズの売り上げが伸び、営業利益が同2.8%増の26億6100万円まで押し上げた。さらに、不動産事業で、東宝スタジオのステージレンタル事業で、映画、TV、CM用の稼働が順調に推移し、同事業の営業利益が同24.7%増の90億4500万円と大幅に拡大した。

映画のヒット、業績予想の上方修正を受け、東宝の株価は続伸。「君の名は。」が公開前の株価は2000円台後半の水準だったが、映画の大ヒットを受け上昇トレンドに乗り、1カ月で約20%以上も値を上げて3000円台半ばまで達した。足元では株価の上昇は一旦落ち着き、3200円台のラインで推移している。

一方、気になるのが東宝のライバルの動きだ。松竹 <9601> が発表した2017年2月期第2四半期決算では、売上高が前年同期比1100万円増の478億1900万円、純利益が同14%減の23億2100万円と東宝と明暗を分けた。

「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」(三木康一郎監督)などヒットを飛ばしたが、映像関連事業の利益は前年同期比3.4%減の23億9500万円にとどまった。昨年に「ジュラシック・ワールド」や「シンデレラ」など洋画の話題作が続いた反動もあり、採算が悪化。2017年2月期通期の業績予想についても、東宝が上方修正したのとは対称的に、売上高を前年同期比1.2%増の936億2000万円、純利益が同29.2%減の27億6000万円の見通しのまま据え置いた。

公開以降勢いを保つ「君の名は。」がどこまで興行収入を伸ばせるか。さらに、関連のコンテンツの売り上げも期待でき、東宝の「君の名は。」特需から今後も目が離せないだろう。(ZUU online 編集部)

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