住宅ローンは借り入れをして返済がスタートしたらそれで終わりではない。

数年ごとに見直しを行い借り入れした時期の金利と現在の金利がどのぐらい違うのか把握しておく必要がある。金利が大きく違っているようなら、借り換えを検討することも必要だろう。

借り換えとは既に住宅ローンを借りている現在の住居に住み続けることを条件に、より有利な条件の住宅ローンに変更することだ。このようにして住宅ローンの返済を常にメンテナンスすることで総支払額を減らしたり、返済年数を短縮したりすることができる。

目次

  1. 住宅ローン借り換えのメリット
  2. 注意したい、住宅ローン借り換えのデメリット
  3. 金利以外に着目した住宅ローンの選び方
    1. 住信SBIネット銀行住宅ローン
    2. イオン銀行 住宅ローン
  4. 借り換えシミュレーション

住宅ローン借り換えのメリット

住宅ローンの借り換えで数百万の費用を浮かすことができた人も大勢いる。しかし、手続きの多さや契約時の金利、保証料や手数料その他の費用がわかりにくいため大きな節約になるのがわかっていても見逃してしまっている方も多いようだ。では、実際のところ借り換えのメリットにはどんなものがあるか挙げてみた。

まず、一番大きなメリットは、返済額を削減できることだ。もう一つのメリットは、固定金利か変動金利かの金利タイプを変更できることである。

当初は変動金利で借り入れをしていたが、数年後金利が上昇しそうなので固定金利のものに変更したいという場合や、固定金利で借り入れをしていたが、予定よりも早く返済を終わらせられる見込みができたので金利の低い変動金利に切り替えたいという場合が挙げられる。

もちろん金利タイプの変更は現在借り入れをしている金融機関でも可能だ。しかし、金融機関にも固定金利が得意や変動金利に強いなど特徴があり、目的とするプランの金利でよりメリットの出る金融機関を選ぶことが借り換えで成功する秘訣である。

注意したい、住宅ローン借り換えのデメリット

メリットばかりに目が行きやすいが、借り換えのデメリットも認識する必要がある。

まず考えたいのが、借り換えには諸費用がかかることだ。最初の住宅ローン借り入れ時にも諸費用は支払ったと思うが、借り換え時には事務手数料や保証料などの諸費用が再度必要となる。保証料に関しては多少戻ってくるところもあるが、事務手数料は手続きに必要な費用なので戻ってこず、いずれにせよ全額返ってくることはない。一般的には、借り入れ金額の2.5%程度の諸費用がかかる。

これらの費用を支払ってもメリットがあるなら借り換えをしても良いことになる。最近は、ネット銀行などでこの諸費用の安さを売りにしているところもあるので積極的に活用したいところだ。

次に考えたいのが、金利タイプの変更には大きなリスクが隠れていること。金利の安さだけを判断基準に、固定金利から変動金利に金利タイプを変更するときには十分な注意が必要である。

確かに変動金利タイプは固定金利タイプに比べて金利が安く設定されているが、20年後の将来には金利が上昇している可能性もあり、いつまでも低金利を維持できるかどうかわからない。返済期間が長くなるなら注意した方が良いだろう。

金利以外に着目した住宅ローンの選び方

住宅ローンの借り換えを検討する場合、金利の安さに目がいきがちだ。もちろん金利を一番に考えることは大切だ。借りた金額や返済期間にもよるが、0.5%〜1.0%変化しただけで数百万の違いが生じる可能性もある。

しかし、住宅ローンを検討する際に必要なのは金利だけではない。契約時には保証料や事務手数料などの諸費用が必要になるので、そのあたりのコスト比較もしよう。繰り上げ返済を考えている場合は繰り上げ返済の手数料が必要かどうかや、繰り上げ返済をするための最低金額があるのかどうかも確認しておくと良いだろう。今回は2つご紹介する。

住信SBIネット銀行住宅ローン

JCSIによる銀行業種の顧客満足度指数で7年連続1位を獲得した等、外部機関による調査でも高い満足度を獲得しておりオススメの金融機関である。

保証料、団体信用生命保険料、8疾病保障の保険料無料、一部繰上げ返済無料という充実のサービスだ。特に8疾病保障無料が魅力的である。固定金利20年で0.81%と過去最低水準でサービスを提供しており他行と比較しても低い金利だと思われる。人気があるので審査に時間がかかるのが気になるが、ほぼネットで進めることができるので有力な候補と言える。

イオン銀行 住宅ローン

イオン銀行はイオングループが運営するネット銀行である。借り入れ期間中ずっと金利優遇が受けられる全期間金利差し引きプランと、決まった一定期間金利優遇が受けられる当初期間金利固定プランの2種類がある。金利も他行に比べ引けを取らない低さ。

保証料や一部繰上げ返済手数料が無料。借り入れ金利に0.3%上乗せされるが、8疾病保障をオプションで設定できるのもうれしいところだ。さらに、イオングループならではの特典は住宅ローン契約者限定でイオングループでのお買い物が毎日5%OFFになるイオンセレクトクラブだ。イオングループで買い物をすることが多い人には決め手になりそうだ。

借り換えシミュレーション

借り換えシミュレーションを行うには各銀行が用意しているシミュレーターを利用すると良い。銀行ごとに特徴があるので幾つかのサイトを使ってみることをおすすめする。

借り換えには諸費用が必要だが、諸費用がかからない唯一の方法が、現在借り入れを行っている銀行で条件を変更してもらうことだ。借り換えと比べて金利の下がり幅が少なかったとしても、手数料がかからないのは大きな魅力となる。今の借り入れしている銀行が相談に乗ってくれない場合は、他行で先に借り換え可能であるとの返事をもらってから相談すると良いだろう。

どの目的のための借り換えなのかによって選ぶプランが変わってくるのが住宅ローンである。総返済を減らすためなのか、金利の上昇に対応するためなのか、現在の返済額を減らすのか、これらの目的を決めておくことが失敗しない借り換えの方法である。

手軽にシミュレーションができるため、削減できる見込みがあるなら積極的に活用する方が良いだろう。