USJ,ディズニー
(写真=PIXTA)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は11月1日、2016年10月の入園者数が175万人を超え、単月としては過去最高を記録したと発表した。当月の入園者数は東京ディズニーランド(TDL)を抜いたようだ。東京ディズニーシー(TDS)を含む東京ディズニーリゾート(TDR)全体にはまだまだかなわないものの、USJの好調が際立っている。さらに今年度中のIPOも噂されているUSJに迫ろう。

ゲストと一緒に楽しむ「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が人気

USJの10月の入園者数が増加したのは、映画「ハリーポッター」のアトラクションが好調なのとハロウィーンイベントである「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が大人気だったためだ。

ハロウィーンイベントは2011年から始まり、今では欠かせぬUSJの人気イベントとして10月の集客力を格段に高めている。ハロウィーンに対する取り組みは、TDLと大きく異なる。

TDLでは、顔全体を覆うようなメイクは禁止されているが、USJではハロウィーンの死者風の顔に傷や血をあしらったゾンビメイクや貞子のような幽霊などの気合いがはいった仮装やメイクでの入園が許可されている。そのため、ビックリするような仮装をしている人たちが多く、園内でうけられる顔へのペインティングサービスも大人気となっている。さらに、「ハロウィーン・ホラー・ナイト」では園内にゾンビの格好をしたクルーがたくさん園内を走り回っており、斧やチェーンソーを持ってゲストを追いかけている。TDLではあり得ない光景だ。

東京でいう渋谷のハロウィーンの盛り上がりをUSJに持ってきてしまったイメージだろう。ゾンビによるマイケル・ジャクソンのスリラー風のショーもあり、ゲストみんなが一緒に踊って楽しんでいる。また、仮装した若者だけが騒ぐだけのイベントに終わらないように、子供向けには「“やりすぎ”トリック・オア・トリート」として、子供たちに無料でお菓子の詰め放題企画などをやっている。

USJは8年連続の値上げへ

USJの2015年度の入園者数は1390万人(前年度比+9.4%増)、TDRはランドとシーの2パークを合わせて3019万人(同3.8%減)。まだまだ差は大きいが、伸び悩みはじめたオリエンタルランド(OLC) <4661> に対して、若者層にアピールしたUSJの集客の伸びがかなり目立つ格好となっている。

両テーマパークとも細かい月次の入園者数のデータは公表していないが、USJはTDLの10月の入園者数が160万人弱だと独自に推計し、初めてUSJの入場者がTDLを上回ったと発表した。TDLとTDSを合わせたTDR全体の半期ごとの入園者数は公表されており、そのうちTDLを訪れる人の割合を分析し、運営するOLCの業績なども加味することで推計したようだ。

USJは、月次の最高入園者数の発表と同時に、入場料を来年以降に再値上げすることを明らかにした。 USJの1日券「スタジオ・パス」大人料金は現在7400円で、2016年2月に値上げしたばかりだ。2017年の値上げ幅は200円程度となる見込みで、8年連続の値上げとなる。14年3月末と比べて大人の料金は1200円も高くなった。 開園時2001年の入園料は5500円。15年で2000円近く値上がりしたことになる。値上げの理由については、「海外のテーマパークに比べるとまだ安い。USJの価値にあった料金体系を急ぎたい」としている。

ライバルTDLの1日券「1デーパスポート」も現在7400円と同じ値段だ。2016年4月に3年連続となる500円の値上げをした。OLCは、今後10年間で5000億円もの大規模な投資計画を発表している。代表的なものでは、東京ディズニーランドのファンタジーランド再開発、そして東京ディズニーシーの新テーマポート建設などがあるため、TDLも再値上げに向かうかもしれない。

今年度中にもUSJ再上場か?

JR九州の大型IPOが終わり、次の大型IPOとして関心を集めているユー・エス・ジェイ(USJの運営会社)は、大阪市の第3セクターとして1994年に設立され、2001年にはUSJをグランドオープンした。その後2007年にはマザーズにIPOをしたものの、経営難が表面化、ゴールドマン・サックスが大阪市の保有株にTOBをかけて、2009年に上場廃止して経営を立て直すこととなった。

その後、経営の立て直しに成功、2015年には米国メディア大手のコムキャストがユー・エス・ジェイ買収した。2015年3月期の決算は、売上高が1385億円、営業利益が390億円といずれも過去最高を記録していたが、経営がコムキャストに変わったことで16年3月期の決算は開示していない。

参考までに、15年3月期のOLCの売上高は4663億円、営業利益は1106億円。売上はOLCの方が、3倍以上多かったが、営業利益率はユー・エス・ジェイの方が高かった。OLCの今17年3月期の会社予想は、売上4799億円(3%増)、営業利益1091億円(2%増)と伸び悩んでいるだけに、足元の売上格差は縮小しているかもしれない。

OLCの株価は、15年4月に9890円の過去最高値を付けて以降、業績の伸び悩みで11月2日引け値で6090円まで下げている。ただ、TDRの入園券が株主優待でもらえるため個人投資家にまだまだ人気が高い株ではある。 もし、USJの再上場が実現すれば、やはり個人投資家の人気が高まることが期待されそうだ。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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