出遅れた中国では、開発拠点を核に加速を図る
2013年における、中国での自動車販売台数は2100万台に達しました。2位のアメリカでも1500万台ですから、いかに巨大市場かが分かります。2014年の予想販売台数は2374万台となっており、まだまだ市場は拡大するものと思われます。しかし、中国市場への進出が遅れたトヨタは、現在シェア6位となっており、日産に先行を許しています。トヨタは北京モーターショーにて、ブランド別シェアにて3位となり、年間販売200万代規模の販売を目指すと発表しました。開発拠点を上海近郊に構えて現地開発を加速させる他、2017年末までには15車種を超える新車を追加投入する予定です。大気汚染が進む中で、中国政府が現地生産を条件にハイブリッド車に購入補助金を支給する動きがあるため、日本にとっては追い風になるでしょう。しかし、今年2月時点では、日本のメーカーのシェアは13.4%となっており、前年同期比で1.5%ほど伸ばしているものの、23.4%のシェアを持つドイツ製に大きく遅れを取っています。
国内外ともに、政治的、金融的な不安要素を抱えているものの、大きな投資に踏み切ったトヨタ。最も注目したいのは、大きくシェア争いに遅れを取る中国市場にて、挽回が可能かというポイントです。尖閣諸島を巡る領土問題が発生する以前は、日本勢は20%のシェアを有していたため、政治情勢によって大きな変動が出る可能性があります。ただ、日本メーカーがドイツ勢に水をあけられたのは、政治的背景のみならず、豊富な製品ラインアップを用意出来なかったからではないかという評価もあるようです。いずれにしろ、トヨタを始めとする日本勢は、巨額の投資をして中国市場の拡大を図っています。2014年3月の販売台数は同年前月比19%増の9万400台となり、販売数は増えているものの1〜2月の26%増よりも成長が減速しています。ドイツのBMWは、2013年の「BMW」と「ミニ」ブランドの中国での販売台数が39万台を突破し、37万台の米国を抜いて最大の市場となりました。今後も中国市場において世界の自動車メーカーと日本製による総力戦が繰り広げられる見通しです。
【参考文献】
トヨタ、次期プリウス生産に向け国内投資5,000億円規模へ!(アメーバニュース)
トヨタが世界最大市場の中国を舞台に現地製HVで勝負!(clicccar.com)
自動車各社 大幅増益だが今後の見通しに警戒感
(
clicccar.com
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トヨタ欧州部門、年間100万台の販売目標を据え置き(ウォール・ストリート・ジャーナル)
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