米国で人気上昇中のオンラインMBAだが、実際の社会的価値はどれほどのものなのか。結論からいうと、通信教育の受講者が年間約500万人を突破した米国では、通学生の大学資格と同等の評価を得始めているという。

また通学生の大学資格同様、有名大学の通信コースになればなるほど評価はあがる。ここで重要となるのは、受講した大学コースが私立学校大学協会などの認定を受けているかという点だ。

大学入学者の3分の1がオンラインコース受講

オンラインMBAの取得者からは、「通学資格ではないという事実が就職活動の妨げにはならなかった」という声が多く聞かれる。米リクルート会社、アトリム・スタッフィングのニュージャージー州会長も、近年は通学部か通信部かを気にする企業は稀であることを認めている。

資格取得の手段よりも重視されるのは、資格自体の価値である。公式な教育機関の認定を受けたコースであることが大前提となるが、コースの評判よりも受講料のみで大学を決めるという生徒も多い。

米国学生情報センター研究所の統計によると、2015年の大学入学者は186万人。そのうち3分の1に値する550万人が通信部の生徒だ。全体の生徒数は前年比2%減だが、オンラインコースを提供する大学・専門学校は、2012年から2014年にかけて2250校と、23%も増えている。

オンラインMBA人気が急上昇した理由として、近年求人広告が掲載されている60%の職業になんらかの資格が求められるにも関わらず、通学生の大学の中退者が過去20年間で3100万に達していること、1100万人の成人がコスト・時間的な障害で通学生の大学進学を断念していることなどが挙げられている。。

米学習センター「ラーニング・ハウス」が2015年に実施した調査では、オンラインMBAで最も人気の高い科目は経営学で、回答者1500人中、19.8%が受講。次いで介護(5.2%)、コンピューター科学(3.9%)、IT(3.6%)、エンジニアリング(2.2%)となっている。( FinTech online編集部

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