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(写真=PIXTA)

メールやSNSが盛んになるにつれ、見直されているのが手書きの礼状や挨拶状だ。それと並行して注目されているのが、文具としての万年筆や質感のある紙の便箋である。

そこで今回は、思いを伝え、印象に残る手書き文を書くための万年筆や紙の選択ポイントを挙げてみる。

ビジネスもプライベートもネットで完結する時代だからこそ、手書きに注目

ネット全盛の現代社会。メールやSNSを使った情報交換は、パソコンやスマホですぐに確認できるので時間の節約にもなり、昔のような手紙でのやり取りに比べて格段に便利だ。しかし、最近では万年筆や便箋を使った手書きの味が見直され始めている。

手書きには書き手の性格や人となりが表れ、時間を費やして紡いだ文章だからこそ伝わる想いがある。その分、筆記用具にこだわりたい。特に最近では万年筆を持つことが、「知的でおしゃれ」と見られる傾向があり、実用性はもちろんだが、自己主張のアイテムとしても人気のようだ。

万年筆にあわせて、便箋などにもこだわりたい。紙の材質もさまざまあり、相手に合わせて選ぶのも楽しいだろう。

シーン、目的によって選び分けたい万年筆のポイント

万年筆を選ぶ際に明確にさせたいのが、使用する用途や目的だ。

ビジネスで使用するのであれば、使い勝手が大切なので、ペン先やインク交換が簡単なタイプを選ぶと良いだろう。細かい文字を書くことが多い場合は、ペン先は細字(F)や極細字(EF)が適している。また、本体の長さ、太さなど自分の手のサイズに馴染み、携帯性の良いものが使いやすい。

注意したいのは、ペン先の硬さである。ボールペンなどを使い慣れていると、万年筆のペン先で使われている24金や18金のペン先は柔らかすぎて使いにくいと感じることが多い。最初は硬めのステンレス製や14金で慣れていくといいだろう。

プライベートでの使用であれば、ゆったりした気分で使える太めボディの万年筆がお勧めだ。ペン先も18金など柔らかめのものを選べば、心地よい書き味を満喫できる。

インクは、大きく分けて顔料インクと染料インクの2種類がある。それぞれの特徴を挙げると、顔料インクはにじみが少なく、耐光性、耐水性が高い。染料インクはさまざまな色が楽しめてサラサラと書け、値段も手頃である。公用書や契約書、ビジネスで使用する大切な文書などは顔料インク、気軽な日常使いには染料インクが適切といえる。

紙の質感が想いを届ける

自分の気持ちや想いを込めたいなら、紙の材質にもこだわりたい。

贈り物などにメッセージを添えるときは、短くても手書きにすると、印象が良くなる。相手の心に残る便箋なら、繊細な和紙の風合いが特徴の便箋がお勧めである。季節に合わせた柄などが刷り込まれているものなら、一層雰囲気が増すだろう。使い勝手の良いものであれば、文章の長さに応じて切り離せる蛇腹便箋タイプがある。

和紙に木版摺りを施したタイプ、景色や花柄を刷り込んだタイプなどは風合いが増す。また洋紙に罫線を引いたタイプであれば、万年筆との相性もいい。

文具だけでなく、言葉も気持ちを込めて紡ぎたい

「文具をそろえ、あとは書くだけ」となっても、いざとなると「何をどう書いていいかわからない」という人も多いだろう。そこで役立つのが文例集だ。特に、ビジネス用の挨拶文などは、多くの文例集が書籍として出版されている。ネット上にも参考になりそうなサイトは多い。

初心者は、文例を参考にしてもいい。しかし、あくまでも例である。だれもが同じような文章になってしまったら、たとえ道具を選びじっくりと紙に書いた手書きにしても、想いは十分には伝わらない。

シーンや目的に合った万年筆や紙質を選び、気持ちを込めて言葉を紡ぎ、文章を書くこと。無味乾燥になりがちなデジタル時代のコミュニケーションは、そんな文具と想いの共創から生まれるのではないだろうか。(提供: 百計オンライン

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