Paypal、Citiの両社は12月15日、来年からCitiカード加入者にPaypalサービスの提供を開始することを発表した。CitiCardを利用したオンライン、アプリ、実際の店舗などでのPaypal決済が可能になる。
2大国際ブランドの提携関係が、決済市場の起爆剤となることは間違いない。近年活発化している大手銀行と決済会社による提携関係が、さらに加速しそうだ。
オルタナ(非銀行系)決済と従来の決済の壁を切り崩す動き
大手銀行と提携するのは初めてとなるPayPal。世界最大規模のカード発行元であるCiti、そして米金融サービス大手、フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ(FIS)との新たな提携関係を手放しで歓迎するコメントを、ウェブサイト上で発表した。
Paypalは今年に入り、VisaやMasterCardといった大手国際カード会社とも提携関係を結んでいる。特に長年顧客獲得戦を繰り広げてきたVisaと和解し、「PayPal Wallet」間の決済手数料を1年間無料にするという新たな戦略にでたことで、世間を大いに驚かせた。
世界中で4820万人のクレカ顧客を持ち、昨年の売上高が2840億ドル(約33兆2990億円)というCitiと手を結ぶことで、無限の可能性が広がることになる。Paypalのゲイリー・マリオCCOは、Paypaが今後も国際大手との協力の場を積極的に広げていく行く意向であることを明らかにした。
一方、Citiも同日、同様の発表をウェブサイト上に掲載。今年は次世代バンキング・プラットフォームの構築に全力を注いできたCitiだが、さらに一歩前進させる手段としてPaypalとの提携関係に期待を寄せている。
Citiは、支払いからクレカの利用を含めた取引履歴までチェックできるバンキング・アプリ「Citi Mobile App」の提供を開始したほか、来年上旬には世界中どこからでも利用可能な決済サービス、「CitiPay」も登場する。
2013年にはニューヨークやシンガポールを含む主要都市間のネットワークをつなぐ「Citi Innovation Lab」も立ちあげ、金融革命に本腰を入れている。( FinTech online編集部 )
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