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7月1日、格付け会社のS&Pはアルゼンチンの「CCC−」信用格付けを「クレジットウォッチネガティブ」に指定しました。このウォッチネガティブ指定とは30日間の猶予期間が7月30日に終了するまでに利払いが出来ない可能性が50%以上ある事を反映しています。ちなみに現在の格付けは21段階中下から3番目となっています。

一連の騒ぎによる日本の株式市場への影響については後述致しますが、まずは今回なぜこのような事が起こってしまったのかを簡単に見ていきましょう。

6月30日に期限を迎えたのは、2001年の同国国債のデフォルト時に元本削減に応じた債権者に対する利払いです。ことの発端は米最高裁が16日、アルゼンチン国債の債務再編に応じなかった債権者への利払いを命じた判決の見直し請求を退けたためです。米連邦地裁は国債の利払いの前に、債務整理の際に元本削減に応じなかった米ファンド向けの債務約13億ドルを支払うよう求めており、政府は今回の利払い原資を米銀に払い込んでいたが、手続きが認められなかったとの報道がなされております。

今後1カ月間の猶予期間中、関係者との交渉で解決を目指すとはいうものの、現在のところ見通しは経っていません。アルゼンチンの株式相場や通貨ペソに大きな反応は見られませんが、万が一デフォルトを起こせ通貨の大幅な切り下げとインフレが起こると可能性はあります。

ただ、S&Pはアルゼンチンがデフォルトに陥ることはなく債務再編を拒否した債権者との交渉が決着する可能性は十分あると考えます。アルゼンチン政府と同国国債を保有する米ファンドは、1カ月間の支払猶予期間中に利払い条件などを巡り協議がなされ、合意すればクレジットウォッチネガティブから除外される可能性もありますので、引き続きこの1ヶ月間は協議のゆくえに要注目です。

では最後に、今回の一連の騒ぎによる日本株への影響について考えていきたいと思います。結論から言うと影響は限定的なのではないでしょうか。上述しましたが、アルゼンチンの株式相場や通貨ペソに大きな動きは見られていません。

加えて、相場の先行きに不安が生じた時に数値が大きく上昇する特徴がある 恐怖指数と呼ばれるVIX指数の動きを見ても反応は大きくないように思えます。日本株に関しては、現在報道されているような、消費税の影響も軽微で今後のインフレ期待、NISAやGPIF資金の流入、日銀の追加緩和期待などから、一時的に下落があった としても買い材料は充分揃っており反転していくシナリオが想定できるのではないでしょうか。