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投資の基礎
Written by 谷山歩 80記事

真似るのはそれほど簡単ではない

バフェット流投資で「塩漬け株が増えた……」その理由は?

バフェット氏,投資術
(写真=Thinkstock/Getty Images)

多くの投資家は長期投資のつもりで株を持ち、資産がいずれ何倍にもなるのを夢みて株を始める。しかし、なぜか買った株が下がり続けてしまって資産は大きく目減りしてしまっていることも多い。

長らく損失が出たままの株式のことを塩漬け株というが、たいてい塩漬け株を持っている投資家は塩漬け株が、買った値段まで戻るのを待っている。

そんな塩漬け株をもつ投資家の中には、大投資家ウォーレンバフェットの投資の仕方を真似て始めた人も多く存在する。実際バフェットの投資スタイルは長期で企業へと投資をして資産を着実に増やしていく投資スタイルだが、自分も実際にやってみようと安易にバフェット式を真似た結果、塩漬け株が増えてしまっているのだ。

そこでバフェット式を真似ることで塩漬け株が増える理由を以下の3つに絞って解説する。

1. バフェット式投資のスタイルを模倣しきれていないから
2. 日本市場ではバフェット式の投資スタイルはあまり向いていないから
3. バフェット式投資の「良い企業である限り持ち続ける」の原則に反しているから

1. バフェット式投資のスタイルを模倣しきれていないから

そもそもバフェットの投資法を理解しきれているかどうか、という点が一つ目だ。バフェットの投資法は一般的には「国際優良株への長期投資」と一言で言い表されることが多い。しかし、それをうのみにしてシャープや日本の大手銀行などに2007年あたりから長期投資をしていたとしたら、現在はいまだに塩漬けとなってしまっているはずだ。

バフェットの投資法はまず長い期間でもその企業のサービスが多くの人に利用されることを見越して、企業に投資をする。例えばジレットという髭剃りを商品として提供している企業がある。バフェットは、ジレットにはずいぶんと前から目をつけ長期で投資をしていた。その理由は「いつまでたっても男はヒゲをそるから」だ。またジレットの過去の戦略として、髭剃りの柄の部分を無料で配布し、かみそり部分を購入しつづけてもらうというランニングコストを発生させる戦略もバフェットのお眼鏡にかなったようだ。

単に大手で国際的に有名だという理由でバフェット式を真似てもうまくはいかない。企業のビジネスが長期的にどうなるかをまずは見ることが大切なのだ。

2. 日本市場ではバフェット式の投資スタイルはあまり向いていないから

2番目の理由は「それを言ったらおしまいだ」と思われてしまうかもしれないが、日本市場ではバフェット式投資が不向きだという理由がある。それは米国株式市場のように過去の高値を更新し続けるような右肩上がりのトレンドを描いていないからだ。

株価の流れが下向きであったら、長期投資で成功することは難しい。最近はアベノミクスにより株価も上昇してはいるが、いまだ1万9000円台と過去最高値の3万8957円はほど遠いといえる。

また日本の場合、人口減少の心配がある。米国は先進国ながらいまだに出生率は1.84と高めの水準であり同時に人口も増え続けている。一方日本は人口推移も減ったり増えたりでここ15年ほど高止まりの水準だ。

消費動向が株式市場にとって重要なものである以上、人口減少の懸念が付きまとう日本市場では長期的な株式市場のアップトレンドは見込めないのかもしれない。

バフェット式をもし真似たいのであれば、日本市場に限定せずに米国市場や新興国など他国の株式などにも目を向けてみてはいかがだろうか。

3. バフェット式投資の「良い企業である限り持ち続ける」の原則に反しているから

さて塩漬け株になる本当の原因はバフェットのいう「良い企業である限り持ち続ける」という原則に反しているからだと思われる。

これは逆に言うと「悪い企業は手放さなければならない」ということだ。つまり長期投資でありながら、企業の業績やビジネスを取り巻く環境が最初の投資タイミングの時に比べて悪く変化した場合には、その企業の株を手放さなければならないということだ。

もしこれができていたならば、塩漬けになる前に株を売却して、ほかの旬な銘柄へと資金をシフトできていたかもしれない。

確かに日本の電機メーカーや自動車メーカーは良い企業かもしれない。しかし、為替などの外部環境から大きく影響を受けるし、バフェットの好む市場を独占している企業ではない。ある意味で良い企業であることや持ち続けるべきかどうかを判断することが長期投資のだいご味といえる。その点、長期投資とは一度持てばほったらかしで良いという投資法ではないのである。

バフェット式を真似るのはそれほど簡単ではない

3つの理由、いかがだっただろうか。バフェット式の投資スタイルは一見簡単そうに見えても実は難しい。様々なポイントから企業のビジネスの良さを見極めて長期で投資するに足る水準まで株価が下がったところで買うのがバフェットスタイルだ。バフェット式の投資法で資産を増やしていきたいのであれば、その手法をとことん学んでから挑戦していってほしい。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。ヤフーファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。個人ブログ「インカムライフ.com」を運営。著書に『元証券ディーラーたにやんの超・優待投資 草食編 Kindle版』(インカムライフ出版)がある。

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