Mansion
(写真=PIXTA)

投資と聞くと株式投資やFXのような取引を思い浮かべる方も多いだろう。まとまった資金が必要というイメージのある、「不動産」を選択肢として検討する人は少ないのではないだろうか。

投資の利益には、インカムゲインとキャピタルゲインの2つがある。インカムゲインとは投資対象が生み出す運用利益のことである。投資対象を売買することなく継続的、定期的な利益が見込める。預貯金の利子や株式の配当などはインカムゲインに含まれる。一方キャピタルゲインとは、投資対象を購入価格以上で売却した際の差益のことである。代表的なものは株式の売買だ。不動産投資は、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を目的に運用する手法である。

一棟マンション投資と区分所有マンション投資の家賃収入を比較

マンション投資を大別すると、土地・共用部分を含めた一棟全ての所有権を得て運用する一棟マンション投資と、一住戸毎の権利を所有する区分所有マンション投資に分けられる。

一棟マンション投資と区分所有マンション投資の家賃収入を比較してみよう。

たとえば、10戸の一棟マンションを購入し、家賃をひと月5万円で設定したとしよう。常に満室だった場合、10戸×家賃5万円×12ヶ月で年間の家賃収入は600万円となる計算だ。しかし、この状態から1戸が1年間空室になったと考えよう。そうすると、年間60万円のマイナスであるが、残り9戸は満室運営のため、年間540万円の家賃収入がある。

次に、家賃50万円の区分所有マンションを購入したケースを考えてみよう。常に満室だった場合、1戸×家賃50万円×12ヶ月で年間の家賃収入は600万円となる計算だ。しかし、仮に1年間ずっと空室になったと考えよう。そうすると、当たり前だが年間の家賃収入はゼロ、諸費用は全て持ち出しとなってしまう。

このように、一棟マンション投資と区分所有マンション投資では、空室に対するリスクの許容度の差が大きく異なる。両方の特徴を抑えておくことが重要だ。

一棟マンションのメリット・デメリット

一棟マンションの場合は、よほどのことがない限り全ての部屋が空室になってしまうということはない。大規模な改修工事やペット可などの入居条件の緩和も、自由に行いやすいというメリットもある。

一方で一棟マンションは、購入には安くても数千万円が必要で多額の資金を必要とすることや、常に満室で運営できる条件の良い物件はなかなか見つからない。規模が大きいので、売却したいときに希望のタイミングと価格で売れない可能性があること、一棟マンションを複数所有するのはハードルが高いため、地域や購入時期を分散しづらいことなどのデメリットもある。

区分所有マンションのメリット・デメリット

一方、区分所有マンションはどうだろうか。区分所有マンションの魅力は比較的少ない自己資金からスタートできることだ。一般的に、区分所有マンションなら数百万円の自己資金から始めることも可能だ。一棟マンション投資に比べると、購入地域や購入時期を分散しやすい。駅に近いなどの良い条件の物件を探しやすいのも魅力だと言える。

しかし、入居者が退去すると収入は一気にゼロになってしまうことや、自分だけの物件ではないため、ペット可物件にするなど、入居条件の緩和を自分の意志だけで変更できないというデメリットがある。

あなたはどちらを目指すか

マンション投資に慣れていない場合、区分所有マンション投資と一棟マンション投資のどちらからはじめていいのか迷うだろう。同じ投資金額で考えた場合、区分所有マンション5室を投資するには手間も時間もかかるが、5戸の一棟マンションに投資するのであれば手間は一回で済む。ただ区分所有マンションであれば、地域や購入タイミングを分散できるというメリットもある。

区分所有マンション投資から不動産投資をはじめて、慣れてきたら一棟マンション経営に手を広げるパターンもあれば、最初から一棟マンション投資をするパターンもある。どちらにしても不動産投資をする上でメリット・デメリットがあり、それらをよく検討した上で、自分の投資スタイルにあった方法を選ぶのが正解といえるだろう。(提供: みんなの投資online

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