投資にはいろいろな方法があるが、その中でも長期投資といわれる投資方法が王道のスタイルだ。
長期投資は、短期で株の売買をして利益をあげるトレードとは異なり、一度投資をしたら、原則として数年から数十年という長期で株を保有して企業を応援するスタイルを指す。1代で巨額の財を成したウォーレン・バフェット氏もこの長期投資によって成功をその手に収めていることはよく知られた話だ。この長期投資においては、何より企業の業績を見ることが重要になる。
ただ、企業業績といっては、利益には種類がいくつもある上、比較の仕方を知っておく必要がある。そこで企業の利益を4つ簡単に解説したのち、その利益を使用して企業の収益力を見るための方法を全部で3つ解説する。
企業があげる4つの利益とは
企業業績を多角的に見る場合には、以下4つに分けてみる必要がある。
- 売上高…企業活動によって得たすべての総合的な利益
- 営業利益…売上高から人件費や材料費、コストなどを引いた利益
- 経常利益…営業利益に企業がうける利息を足し、銀行に払う利息を引いた利益
- 純利益…経常利益に特別に生じた利益・損失を足し、税金を引いた最終的な利益
売上高は企業活動によって生じたすべての収益のこと。売上高がどれだけ大きくてもそこから様々なものを引いた後で、最終的に利益が残らない場合もあるため、売上高の大きさだけで判断するのは良くない。
その代りに、本業の利益(いわゆる企業の稼ぐ力)として最近では営業利益が重視されることが多くなった。のちに解説する売上高に対する営業利益の割合は重要である。
また、かつては最も重要だとみなされていた経常利益はそれほど重視されなくなってきている。IFRS会計基準の導入によって、経常利益自体を採用しない企業も出てきているくらいだ。
また純利益は、EPS(1株当たりの利益)を出す際に用いられる重要な利益である。
この4つの利益を見ることで確認することができる業績の確認の仕方を見ていこう。