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(写真=GlebStock/Shutterstock.com)

多くの先進諸国で死亡原因の1位2位を争う病気が「心疾患」です。心疾患のリスクが高まるのは、中高年以上だと思っている方もいるのではないでしょうか? 実は、若い年代でも発症する人が増えつつあるのです。

今回は、心疾患が起こる仕組みから気になる予兆まで調べてみました。

心疾患にも多くの種類がある

厚生労働省の人口動態統計の年間推計によると、心疾患で亡くなる人の数はがんに次いで2位となっており、2016年の死亡数は約19万3,000人に達しました。

近年、欧米を含む多くの先進国において共通の問題として、心臓病発症年齢の若年化があげられます。2016年3月にはアメリカのテックタイムズ誌で「心臓病患者は20年前と比較して若年化し、肥満率が高まっている」という報道がありました。

また、喫煙者の総数は減っている中、心臓病をわずらう人の喫煙率は上がっており、心臓病と慢性気管支炎や糖尿病、高血圧などを併発するケースも増えているそうです。

心臓病といっても先天的なものもあれば後天的なものもあり、非常に多くの種類があります。最近特に増加しているのは、後天的な要因によるものです。生活習慣を主な要因とする虚血性心疾患が、若い年代にまで増えてきていると言われています。

こんな予兆は心疾患の危険サイン!

心臓は心筋という筋肉でできており、1日に約10万回も収縮と拡張をくり返しています。血液を通し、体中に酸素と栄養を運ぶポンプの役割を果たしています。この心筋が虚血状態になることを虚血性心疾患と呼び、特に多い症状は以下の2種類です。

●狭心症
心臓のまわりにめぐっている血管を冠動脈といいます。この冠動脈が狭くなった状態では、心筋に必要な酸素や栄養、血液が行き渡りません。これに何らかのストレスがかかると、胸が痛くなるほか、左腕や背中に痛みが出るという狭心症の状態になる場合もあります。

●心筋梗塞
心筋梗塞は動脈硬化によって引き起こされます。動脈硬化とは、冠動脈が狭くなったり血栓ができたりすることにより、心臓に血液がいきわたらなくなった状態です。この症状がさらに進むと、狭心症を通り越して冠動脈が完全に詰まってしまうことがあります。こうして酸素も血液もすべて遮断された状態が、心筋梗塞です。

心筋梗塞になると心筋が壊死して命にかかわるため、一刻も早く治療しなくてはいけません。激しい胸痛があり、冷や汗のほか、めまいや吐き気が起きることもあります。胸の圧迫感や胃の痛み、あごや奥歯の痛みを訴える人もいるそうです。

「予兆かな?」と思う軽い症状が出たときには、すでに心疾患の初期段階に差し掛かっているかもしれません。少しの変化であっても警告サインだと受け取り、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。症状が軽いうちに適切な治療を受ければ、早くに健康な状態に戻れる可能性が高まります。

心疾患のリスクを減らすコツ

虚血性心疾患の直接的な要因は、コレステロールによる動脈硬化です。この悪玉コレステロールを増やす危険因子のひとつはストレスと言われています。日々のストレスを上手に解消できる自分なりの方法をもっている人は、それだけ心疾患になりにくいのです。

また、コレステロール対策には規則正しい生活習慣がとても大切です。厚生労働省が行った年代別の生活習慣調査によると、生活習慣に注意を払わないのは20代や30代の若い年代が多いという結果がでました。20代や30代は、野菜摂取量や、運動習慣があるかなどの項目で低い結果となり、喫煙率が高く、運動習慣者が少ないなど、心疾患にかかる危険が高い状態となっています。

日本生活習慣病予防協会では、「一無・二少・三多」という健康標語を掲げています。これはタバコを吸わず(一無)、少食と少酒に努め(二少)、運動や睡眠、休養、社会活動(三多)を心がけましょう、というものです。若いうちからこれらに注意を払うことで、心疾患のリスクを大幅に下げられるのです。

仕事が多忙など、それぞれ事情があるとは思いますが、心臓は替えがききません。自分の健康管理のための時間を確保するようにしましょう。(提供: ヘルスグリッドオンライン

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