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中国IT御三家と言われている、百度、テンセント、そして中国最大の電子商取引を展開する阿里巴巴集団(アリババグループ)ですが、今回はアリババについて見ていきます。アリババは、2013年の第4四半期の決算が好調でした。売上高は31億ドル(約3160億円)で前年同期比66%増、純利益も14億ドルで前年同期比の6億4200万ドルから2倍以上増加しています。間もなく米市場にてIPO間近と見られており、アリババの株24%を保有するYahoo!や親会社のソフトバンクグループの株価にまで影響を与えています。


世界最大の電子商取引アリババのビジネスモデルとは

アリババグループの主軸となるビジネスは大きく分けて3つあります。1つめは祖業となる「アリババドットコム」です。これはB to B取引を世界レベルで実現する通販事業であり、自社の製品の買い手を世界中から探すことが出来ます。もしくは、中国製品を安く仕入れたいと思っている日本の業者がアリババドットコムを通じて製品を仕入れることも可能です。日本語サイトも用意されており、日本の小規模メーカーを中心とした事例も豊富に掲載されています。ちなみに、同社のサイトによると通販事業ではなく、インターネット上の国際展示会である、と定義しています。

そして2つめはC to C取引のネットオークションサイト「淘宝(タオバオ)」、3つめがB to C取引を行うモール型事業「天猫(Tモール)」です。IPOの申請時に提出した資料によると、「淘宝(タオバオ)」の直近四半期の取扱高は4兆7200億円で前年同期比で32%の成長、「天猫(Tモール)」が2兆1600億円で前年同期比で46%増となっています。ちなみにこれらのサイトは日本の楽天と同じモール型のビジネスモデルですが、楽天の取扱高が同四半期で5033億円ですからいかに規模が大きいかが分かるでしょう。


孫氏をも魅了した経営者ジャック・マー氏

アリババが創業後間もない2000年、ほぼ売上げが0であった時代にソフトバンクグループの代表である孫正義氏が20億円の投資を即決したというのは有名な話です。同社の時価総額は10兆円〜20兆円に登ると言われており、Yahoo!やソフトバンクの株価へも影響を与えています。しかも、孫氏はアリババのビジネスモデルを仔細に聞いたわけではなく、マー氏とたった5分会話しただけで巨額の投資を行ったのです。事業というよりは、ジャック・マー氏という人物への投資を行ったと言えるでしょう。(しかも、当初は1億ほどで良いと言ったマー氏に対して、お金は邪魔にならないから、と20億円を出資したと言います)孫氏は最近の会見でアリババグループのIPO後も株の売却を行わないと明言しており、長期に渡るパートナーシップを構築したいと語っています。