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(写真=szefei/Shutterstock.com)

健康志向の高まりによって、人間ドックを受ける人は増え続けています。日本人間ドック協会によると、2015年の人間ドック受診者数は316万人です。1984年の41万人に比べると、約7倍もの人数です。

「健康診断では分からなかった病気が見つかった」という声も多い人間ドックですが、受診料が高額なため、二の足を踏んでいるという人も多いのではないでしょうか。ここでは健康診断との違いや受診時の注意点にも触れながら、人間ドックをお得に受診する方法を紹介します。

受診にかかる時間は長いが、結果は即日で分かる

人間ドックと健康診断との大きな違いは、まず受診にかかる時間です。健康診断では1時間ほどですべての検査が終わることもありますが、人間ドックには最低でも3~4時間くらいの時間が必要です。検査項目が多ければ、宿泊が必要になることもあるでしょう。

一方で、健康診断では検査結果が出るのに通常2週間ほどかかるのに対し、人間ドックではほとんどの場合、検査を受けた当日に結果が分かります。

この特徴を生かした人間ドックならではのサービスが、対面での診断結果説明や生活習慣指導です。当日出た検査結果を見ながら、医師から詳細なアドバイスが受けられます。検査機関によっては、検査結果が出るまでの待ち時間に無料でマッサージや食事の提供を受けられることもあるようで、健診と同時にちょっとした息抜きにもなりそうです。

健康診断と人間ドック、検査項目はどう違う?

人間ドックの受診を検討するにあたって一番気になるのは、やはり検査項目ではないでしょうか。人間ドックでは、健康診断で受診できる項目をほぼすべて網羅しているのに加え、各項目についてより精密な検査が受けられます。

日をまたいで受診する1泊2日コースだと、これに喀痰検査や骨密度測定、糖負荷試験、胸部CT検査などの、より精密な検査も加わります。

このほか人間ドックでは、気になる部位や病状について、オプションで検査を追加することもできます。これが健康診断では分からなかった病気の発見につながることも多々あります。

たとえば「最近胃が痛むのだけど、もしかして胃がんかな」と不安に思っている人には、直径1センチほどの細い管の先につけたカメラを使って、胃や十二指腸などを直接観察します。これによってエックス線の検査では分からない細部まで検査できるので、病気の発見率が格段にアップするのです。

このほかオプションで受けられるものには肺がん検査、乳がん検査などのがん検査、骨粗しょう症検査や動脈硬化検査、内臓脂肪CT検査などの生活習慣病検査、脳の疾患に特化した脳ドック(MRI)などがあります。自分の症状や希望に合わせて追加すれば、より効果が高まるでしょう。

受診料がお得になる“裏ワザ”があった!

「人間ドックは高額」というイメージも強いため、受診料がどのくらいになるのかと不安に思っている人も多いでしょう。医療機関によって差はありますが、それでも健康診断に比べれば高額になるというのは事実です。

目安としては、日帰りコースなら3万〜4万円程度、1泊2日コースなら6万〜7万円程度のことが多いようです。オプションは検査によって2,000円ほどのものから1万円ほどするものもあり、事前に確認が必要です。脳ドックを受ける場合は、別途3万~4万円程度を見ておかなければなりません。

このように受診料が高額になるのは、人間ドックが保険適用外の扱いになるためです。しかし、人間ドックの受診料を節約できる裏ワザがあります。

自治体によっては、人間ドック受診に対して助成金や補助金を出してくれるところもあります。たとえば千葉県の松戸市では、1人あたり最大1万5,000円(同一年度内1回のみ)の助成金を受け取ることができます。また、加入している保険によっては、契約者サービスの一環として人間ドックの受診料の割引を受けられることもあります。

健康診断のように年に一度とまではいかないまでも、定期的に受けたい人間ドック。お財布にもやさしく受診するために、使える助成金や割引はしっかり利用していきましょう。

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