Mansion
(写真=Sergey Nivens/Shutterstock.com)

マンション投資と一口に言ってもその方法や種類は様々だ。今回は「一棟マンション投資」を取り上げ、「レバレッジ」など関連する専門用語とともに解説する。

一棟マンション投資とは

不動産投資は「区分マンション投資」と「一棟マンション投資」に大別できる。区分マンション投資とは、分譲マンションの一部屋を購入し、貸し出すことで収入を得ることを指す。一棟マンション投資とは、建物一棟を購入し、部屋を貸し出すことで収入を得ることを言う。

どちらが一概に良い悪いというわけではない。一般的に、一棟マンション投資は、区分マンション投資に比べて、物件価格が高額になりやすく、購入のハードルが高いと言われている。また、共用部分など専有部分以外の管理も自ら行う必要がある。その一方、区分マンション投資の場合、空室が出ると収入がゼロになるのに対して、一棟マンション投資は、居住者が一斉に退居し空室になる可能性は低いため、収益が安定しているといえる。

良い物件を見抜く方法

良い物件、すなわち稼働率が高く資産価値の高い物件を見抜くには、建物自体もさることながら、交通機関へのアクセス、生活に必要な施設が近隣に揃っているか、競合物件の有無、治安、学校や工場の建設・移転、自治体の人口動態などにも着眼すると良いだろう。周辺環境が良い物件は、物件の稼働率が安定しており、一般的に融資を受けやすい傾向がある。

また部屋の広さや間取りにこだわりすぎるのは得策とは言えない。物件を特定の基準だけでジャッジしてしまうのではなく、実際にその土地に住む人のライフスタイルはどのようなものか、ターゲットとなる層を想定し、判断することが求められる。

「一棟マンション投資」をする際、新築と中古ではそれぞれ注意するべき点が異なる。例えば、新築であれば、中古物件に比べて金融機関から長期の融資を受けられる可能性が高いが、物件価格が高いため、利回りは低くなる傾向がある。中古の場合、修繕やリフォームを前提に資金計画を考える必要がある。入居者に関する情報や修繕の履歴を調べるのはもちろん、実際に現場に赴き、建物の内外を実査することが欠かせない。

レバレッジとは

不動産投資について調べていると、「レバレッジ」という言葉をよく目にする。これはいわゆる「テコの原理」のことで、不動産投資では一般的に、借入金を利用し自己資金以上の物件を購入することを指す。自己資金だけでは購入できない物件でも、金融機関の融資という「テコの原理」を活用することで、自己資金を超える金額の物件を購入することが可能だ。

しかし、変動金利の場合、金利が上昇した際にローンの返済額が大きくなってしまう。金融機関の融資で自己資金にレバレッジをかけている分、経済的なリスクにもレバレッジがかかってしまうというわけだ。なお、固定金利を選択することによって、この金利上昇リスクは回避できる。

具体例をあげて説明しよう。1,000万円の自己資金で年間7%の利回りが期待出来る物件を購入する場合、年間にして得られる収入は70万円となる。ところが、その1,000万円を頭金として、2,000万円を借り入れ、同じく7%の利回りが期待できる3,000万円の物件を購入すると、年間にして210万円の収益が得られる。借入金利を3%として単純計算すると、金融機関に支払う利息分60万円を差し引いたとしても150万円。自己資金のみの投資と比べて80万円の収益増加が理論上は見込めるわけだ。

レバレッジが効く一棟マンション投資

そして、一般的に一棟マンション投資は区分マンション投資に比べて、土地などを含めた担保価値があるので、レバレッジをかけやすい投資手法といえる。相応のリスクはあるものの、適切な物件選びができれば、レバレッジを効かせた一棟マンション投資はより魅力的な投資である。その一方、レバレッジを効かせすぎた投資は、実力以上の投資になってしまうので、個人の資産状態にあった投資を選ぶことが大切だ。(提供: みんなの投資online

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