任天堂 <7974> が今日2017年3月3日に新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を発売する。新型ハードの発売に市場の注目度は非常に高まっている。手軽に楽しめるスマホゲームに押されがちとなっていた任天堂の起爆剤となるのだろうか。
持ち運べる据え置き型ゲーム機
ニンテンドースイッチのコンセプトは「持ち運べる据え置き型ゲーム機」となっている。テレビ等のモニターに接続する事が出来る据え置き型ゲーム機であるが、本体に6.2インチの液晶画面が付いており、持ち運んで遊ぶ事も可能となっている。重さは300グラムである。コントローラーも着脱式と呼ばれ、遊び方に応じて形状を変更出来るようになっており、モノとの距離や形状、動きを認識出来るカメラも搭載している。任天堂の技術をふんだんに使った、会心の新型ハードと呼べる新作である。メーカー希望小売価格は29800円(税抜)となっており、オンラインプレイ等には月額課金も取り入れると発表されている。
ソフトについては、「ゼルダの伝説」を中心に20タイトルが今日リリースされている。今後「マリオ」や「スプラトゥーン」といった人気タイトルのリリースが予定されており、これらのリリースまでは注目度が高い状態が続くと見られている。
会社発表の想定では2017年3月度にハードで200万台の出荷を見込んでおり、初回出荷分は予約開始数日で完売する等、まずまずのスタートを切る事と見られている。
任天堂復活の切り札となるか
任天堂はニンテンドースイッチに大きな期待を寄せている。開発段階から「NX」という社内コードネームで開発状況をリリースする等、市場の期待を煽ってきた。一方、市場の反応は現在のところ、至って冷静である。2016年10月20日にニンテンドースイッチの概要と発売予定時期がプレスリリースされたが、同日から2017年3月2日の間で任天堂の株価は約15%下落している。同期間の日経平均株価が約13%上昇している事からも分かる通り、市場はニンテンドースイッチに過度な期待を抱いていないのが実情である。
しかし、任天堂の新型ハードにはどうしても期待をしてしまうという人も多い。任天堂はWiiとニンテンドーDSの大ヒットに支えられ、2006年から2007年に1年間で株価が約3倍となった過去がある。2007年11月1日に73200円まで付けた株価は2017年3月2日終値では22875円まで下がっている。
足下の任天堂の業績は厳しい。任天堂の決算資料によると、連結経常利益は過去最高となった2009年3月期の約4486億円を境に下落傾向にあり、2017年3月期の会社予想は900億円となっている。近年はスマホゲームの台頭でハード機の需要が減少している。
ニンテンドースイッチも瞬間的な起爆剤にはならないと見る向きが多い。しかし、今後リリースされる大型タイトル「マリオ」や「スプラトゥーン」で需要が高まっていく可能性も否定は出来ない。過去のニンテンドーDSやWiiのような大ヒットを再び巻き起こす事が出来るのか、ニンテンドースイッチの動向には注目が集まる。(ZUU online編集部)