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(写真=William Potter/Shutterstock.com)

日本では金融緩和が継続していますが、米国では一足先に利上げへと方向を転換しています。この利上げが米国の不動産にはどのような影響を与えているのでしょうか。米国不動産事情を把握することで、今後の日本の不動産投資の未来を予想することができるかもしれません。

米国不動産事情をみていきましょう。

米国不動産市況から読み取る現状の動き

米国株式は2017年1月に史上最高値を更新したものの、米国REITは同月において小幅上昇にとどまっています。これには大きく2つの理由を挙げることができます。

1つは今後の米国トランプ政権の政策に対する不透明感、もう1つは米国の長期金利の上昇です。トランプ政権の政策に関してはいまだ不透明な部分が多いため、REITだけではなく、実物の不動産市況にも足かせとなる恐れがあります。

一方、長期金利の上昇は不動産市況にはマイナスとなります。なぜならば、借り入れによる不動産投資では金利負担が増加するため、不動産購入を抑制する作用が伴うからです。

しかしながら、必ずしも不動産にとって利上げがマイナスとなっているわけではなさそうです。なぜなら。利上げは経済状況がよくなってきているから行うものだからです。不動産市況をみても、REITが保有する商業用不動産の入居率は過去最高水準となっています。入居率の上昇に伴い賃料上昇も期待できます。

こうした状況から、利上げがもたらす短期的なマイナスの影響はあるものの、中長期的にみればむしろ景気拡大に伴う賃料引き上げ、地価上昇といったプラスの影響が大きくなるものと想定できます。

いまだ不透明感があるものの、トランプ政権が掲げる減税やインフラ投資への期待は不動産市況にはプラスの影響をもたらすことでしょう。こうした政治の観点からも米国不動産市況は中長期的にはプラスの影響をもたらすと考えることができます。

日本の不動産投資の未来を考える

それでは米国の不動産市況を参考に、日本の不動産投資の未来を考えていきましょう。日本でも金融政策の出口戦略がいずれ検討されることになるでしょう。ただし、そもそも金利の低い状況が継続してきただけに、利上げを行ったとしてもそのペースはゆっくりであると想定できます。

また、その時の政権の政策にも影響を受けることでしょう。当然ながらその時々の経済情勢にも左右されます。経済情勢がよければ利上げの実施にもつながる可能性があり、短期的には不動産市況もマイナスとなるかもしれません。ただし、米国のように中長期的にみて経済成長を遂げることができれば、長い目で見れば日本の不動産市況にプラスの影響をもたらすことでしょう。

一方、経済情勢が横ばいまたは悪化する見込みである場合には、利上げは遠のくことになります。この場合には、金利という面では現状のような低金利が継続することになりますので、不動産市況には大きなマイナスにはならないでしょう。しかし、不況に陥った場合には不動産価格は下落することになります。

なお、米国景気が上向くことは世界全体の景気にもプラスとなり、日本にもプラスとなります。そのため、悲観論よりは楽観論のスタイルが今は当てはまるといえるかもしれません。そのため、日本の不動産市況も米国景気が堅調であり、東京オリンピックや東京都心をはじめとした再開発が目白押しな現状では、不動産市況は継続してよい状況が続くと考えてよいのではないでしょうか。

こうした予測からいえることは、あくまでも米国全体、日本全体、世界全体の不動産市況がどうなるかということです。個別の不動産でみた場合には、その地域の状況にも左右されることになります。

不動産投資を行う場合には全体の状況を把握するほか、地域の現状・将来像も把握するという点に注意しましょう。(提供: 不動産投資セミナー

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