中国中央電視台CCTVは、毎年3月15日の世界消費者デーに合わせ、消費者権益を侵害する行為と現象を報道した。そのためこの日は象徴的な日となった。今年はどこがやり玉に挙げられるのか?身に覚えのある企業は毎年戦々恐々である。今年は次の5案件が放送された。

放送された案件

1)互動百科(ウィキぺディアのような商業百科)における、記載内容に虚偽が指摘される。また虚偽広告も見つかった。放送から30分後、当局による同社への捜査が開始された。

2)江蘇省や山東省の飼料企業が、家畜用飼料の中に禁止薬物を混入させていた。これで育てられた食肉には抗生素が残留し、人間の食用には危険となる。

3)鄭州科視視光という会社が、違法な医療機器を販売していた。同社は某病院と組み、数百カ所の小中学校で身体検査を実施、角膜検査機器を販売した。しかし無資質、無医学背景、無認証の“三無”のインチキ組織だった。

4)無印良品、イオンなどが日本の禁止地区からの輸入食品を国内市場で販売した。これは以下で詳述する。

5)ナイキ中国は2016年4月、コービー・ブライアント選手が、2008年北京オリンピック決勝で履いていたシューズの復刻版を数量限定で発売した。これにZOOM AIRというナイキの超反発テクノロジー仕様のはずだった。しかし顧客からは加速感がないと苦情が殺到した。虚偽表示であった。

日本からの輸入禁止商品

4)を詳しく見ていこう。

その前に2011年、中国国家質検総局は「日本食品農産品輸入の禁止部分に関する公告」を発布し、汚染地区に指定した産地の食品が国内市場に流通、販売するのを禁止している。2016年1年間に、この公告に依り販売停止した商品は2万2000点、商店数は4300に上る。現在、福島県、群馬県、栃木県、新潟県、長野県、埼玉県、東京都、千葉県の産品が対象となっている。

しかし禁止食品は流通していた。深セン市の企業グループが禁止食品の商品供給源となっていた。ここから国内のネット通販会社を通じ全国に流通した。この中には汚染地区の工場産で中国では販売禁止のカルビー <2229> のオートミールが含まれていた。

また無印良品(良品計画 <7453> )の店舗では、食品表示に問題があった。中文の漢字表記にによる産地表示は汚染地区ではなかったが、貿易書類によると真の産地は東京都であることがわかった。食品輸入禁止地区である。

イオン <8267> でも同様の問題が発見された。輸入白米である。外装の原産地表示は北海道だったが、同じく貿易書類を見ると、汚染地区指定のである新潟県であることが判明した。

以上3件である。これを受けて阿里巴巴、淘宝網、京東などネット通販各社は、カルビーのオートミールを商品ラインアップから外す処理を行った。

政治的意図

これらは数えきれない消費者権益侵害案件の中から、政治的に選ばれた5件である。やはり日本関連を入れていじめておかないと、という判断は当然働いているだろう。しかし今回の3社は、いずれも中国市場で大きな地歩を築いているところばかりである。

イオンは北京・天津、山東省、広東省でチェーン化に成功、無印良品は各地のデベロッパーから出店要請が引きも切らない。カルビーは中国に3工場をもち、そのスナック菓子の知名度は高い。各社少々の嫌がらせにはビクともしないところを見せてほしいものだ。それにカルビーのオートミール類は、日本市場でも絶好調だ。中国市場分は現地工場で対応すればよい。

中国政府はこれまでも福島近辺は放射能で危険という自国民向け発信をたびたび行っている。それに踊らされる人も確かに多い。しかし常に一過性で終わり、結局大きな効果は得られていない。いつまで続けるつもりだろうか。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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