日本では「全人代」として報道されるが、中国では第十二回全国人民代表大会第五次会議と第十二回全国政治協商第五次会議を合わせ「両会」として報道される。

日本メディアは、経済成長率目標や習近平主席の神格化など個々のテーマを報道していたが、中国ではどのように報道されていたのだろうか。官製メディアの特集記事から見えてくるものを探してみよう。

「人民代表」習近平

人民日報の運営するサイト「人民網」のトップには“人民代表”習近平という見出しが踊る。

某会議の際、背景に映ったこの文字が話題となり、ネット上で拡散した。これは人民の中を走り回り“黄土地の息子”(黄土地は中国の大地の意)を自称する習主席にぴったりということのようだ。大衆の心に寄り添う人民代表・習近平の真実を表しているとまで解説されている。

さらに2002年の全人代代表だった習近平・福建省長の談話まで、引っ張り出して載せている。そのとき習省長は、「我々は政府の文字の前面に“人民”の二字を明記しなければならない、そうしてこそ群衆の悲喜や冷暖を共有できるのだ。」と強調していた。

つまり習主席は昔から常に人民とともにあった。したがって共産党の指導的核心として、権力を一身に集めるのは当然と言いたいようである。日本で報道された通り、神格化プロセスは着実に進んでいるようだ。

514件の審議と6つのポイント