初の米中首脳会談(中米首脳会談)が3月30日の外交部記者会見で発表された。ここで外交部は中米は国交回復以来38年、貿易規模は207倍の5196億ドル(2016年)に到達し、中米貿易と投資は米国で260万人(2015年)の雇用をもたらしたと強調した。

そして詳細は31日に外交部幹部の会見で発表するとした。しかしその会見も内容はなかった。どうも首脳会談の憶測や観測はタブーのようである。

新華社配信記事

トランプ大統領,中国,習金平
(写真=PIXTA)

以下は地方紙に配信された新華社北京3月30日電である。

外交部の陸報道官は30日、習近平国家主席が4月4〜6日フィンランドを国事訪問しニー二スト大統領と、4月6〜7日にかけて米国フロリダ州「海湖荘園」でトランプ大統領と会談すると発表した。記者会見の席上、次の質問が出た。

「中国の国家元首がフィンランドを初めて訪問する。この時期に決まった最も大きな要因は何か?」陸報道官は「フィンランドは中国と最も早く国交を結び、また初めて中国と貿易協定を結んだ西欧国家である。近年、中国ーフィンランド良好に発展し、高いレベルでの交流も密接だ。フィンランドのリーダーは何度も習主席を訪問している。訪問の具体的日程は双方の協議により決定された」と答えた。

また陸報道官は、習近平主席は今年初の欧州訪問に、まだ中国国家元首の訪問したこのない北欧を選んだ。これは中国、フィンランドの双方が未来的新型協力関係を推進したいと願っているからであるとし「我々はこのたびの訪問には、両国関係の発展に新しいエネルギーが注入されるとを期待している。各領域において協力を推進したい。」と述べた。

一面トップに「来週、習近平−トランプ会談開催」と大きく出ているのに、内容はフィンランドのことばかりである。

外交部副部長の会見

外交部は翌31日、約束通り王超副部長による記者会見を開いた。ただしここでも最初はフィンランド、米国をその次に扱っている。

米国新政権が発足して初めての首脳会談であり、新しい中米関係の方向を確定することになるだろう。これはアジア太平洋地区、世界の平和と繁栄にも重要な意味を持つ。また習近平主席と彭麗媛夫人は、トランプ大統領とメラニア夫人の主催する歓迎宴会に出席する。

中米両国は最大の発達国家であり、世界の2大経済体である。世界の発展と繁栄に特殊で重要な責任を負うとともに、広範な共同利益を有している。中米はすでに各レベルにおいて密接に交流している。習主席とトランプ大統領は2回にわたり電話会談を行った他、多くの通信を重ね、両国関係の重要性を共通認識している。

こうした内容を違う表現で繰り返し、最後に双方密接に協力し首脳会談の円満な成功を図ると結んでいる。これではいつもの表現から一歩も前に出ていない。それどころか何も言うまいという強い意志さえ感じる。

ネットニュースも多くを語らず

ネットニュースでも中米首脳会談関連のそれはほんの少数にすぎない。それもほとんど香港やシンガポールなど「境外媒体」からの引用もので、観測記事とは呼べない。またユーザーコメントも極端に少ない。そんななか「第一軍情」という軍事サイトからの転載記事を発見した。その記事は「中国は始終全世界発展の貢献者であり、国際秩序の守護者である。ただしこれは中国だけの担う責任ではない。中国は呼びかける。世界平和と共同発展のため、米国やロシアも責任の一端を担うべきであろう。」といった調子で貫かれており、すでに中国は世界の主催者と化している。今はこうした記事が必要とされているのだろう。

中国は国民に対して中米関係は平穏であるという説明を繰りしてきた。だから今回も心配する必要はない。国民は黙って人気のNBAでも楽しんでいればよい。というような雰囲気である。裏をかえせば相当な困難を予想しているようにも見える。しかしどんな結果に終わろうと新聞の見出しはすでに決まっている。「習主席米国と新型大国間関係を再確認」である。習主席はどこまでも不敗なのである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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