アメリカの大手格付け機関・スタンダード&プアーズが2015年に行った「グローバル・ファイナンシャル・リテラシー調査」によると、日本人の金融リテラシーは世界144カ国中、38位という結果になったということである。

先進国の中ではかなり下位に甘んじているが、別に驚くには当たらない。なぜなら、これまで日本の公的教育機関では、ほとんど金融についての知識を教えてこなかったからだ。さらに言えば、多くの方にとっては学ぶ必要もない良い時代が続いた。

投資で重要なのは、経済知識よりも「マネーリテラシー」

投資,お金持ち
(写真=PIXTA)

教えられてもいないもので「上位を目指せ」というのもムリがあるが、それはともかく、我々は生きている以上、お金と無縁ではいられないことは事実だろう。よく、「これからは自己責任の時代だ」と言われるが、以後は年金も社会保障も、ますます削られることになるのは火を見るよりも明らかだ。

目下、サラリーマンの年収はジリジリと下降する傾向にある。こうした状況の中で、人々の目が「投資」へと向かうのは、ある意味、当然のことだと言える。もし、これから「投資を始めたい」と思った人は、最初に何をすべきだろうか?

投資と聞くと、「投資とは経済知識がないとできないのではないか?」と考える人がいるかもしれない。確かに、経済知識がないよりは、あるに越したことはないだろう。しかしそれより大切なのは、冒頭で申し上げた「金融(マネー)リテラシー」の方である。

まずは「リスク」と「リターン」の関係を理解する