App Annieが発表した2016年のアプリ収益ランキング。世界ランキング52位内には多数の日本企業が17社ランクインした。発表されたランキングは、「世界収益トップ52社ランキング」「国内非ゲーム収益ランキング」「国内ダウンロード数ランキング」「国内MAUランキング」の4つだ。

世界収益ランキングトップ5

アプリ,スマホゲーム
(写真=PIXTA)

世界収益トップ52社ランキングは例年実施されており、2016年のトップ5は以下のとおりになった。

5位 Activision Blizzard(アメリカ・ゲーム)
4位 MZ(アメリカ・ゲーム)
3位 NetEase(中国・ゲーム)
2位 Supercell(フィンランド・ゲーム)
1位 Tencent(中国・ゲーム)

トップ5を見るといずれもゲーム領域の企業であることが分かる。スマホアプリにおいては「アプリ内課金」が収益源として重要な役割を持っており、ゲームアプリの場合はコンスタントに収益を上げられるのが特徴だ。その結果、収益ランキング上位にゲーム領域がそろったのだろう。

6位以下を見てみると日本企業も多数ランクインしている。たとえば6位にミクシィ、7位にLINE、8位にバンダイナムコといった具合である。日本企業の場合は非ゲーム系のアプリもランクインしており、他国と違った傾向になっていることが分かった。

世界収益トップ52社中、日本企業では17社が入賞しており首位となっている。ランクインしたのは、上述以外ではガンホー・オンライン・エンターテイメント、スクウェア・エニックス、ソニー、コロプラ、サイバーエージェント、DeNA、コナミ、セガサミー、ネクソン、GREE、gumi、マーベラス、KLab、エイチーム。

国内3部門のランキングトップ5

今表彰から日本国内の「非ゲーム収益」、「ダウンロード数」、「MAU(Monthly Active Users)」のランキングも発表されることとなった。各部門のランキングは以下のとおりだ。

非ゲーム収益ランキング

5位 CyberAgent
4位 SHUEISHA
3位 SQUARE ENIX
2位 COCONE
1位 LINE

非ゲームに限定すると「LINE」が首位。業界別に見るとSNSや出版など、ユーザーが継続的にアプリを利用しやすい会社がランクインしていることが分かる。コミックやミュージックアプリなどがトップ10入りしており、スマホとエンターテインメントの親和性は高いことがうかがえるだろう。

国内ダウンロード数ランキング

5位 SQUARE ENIX
4位 バンダイナムコ
3位 CyberAgent
2位 LINE
1位 Yahoo Japan

ダウンロード数に目を移すと生活系アプリを提供している企業がいくつかランクインしている。首位を獲得したヤフーでは、天気や乗換案内などのアプリを提供しており、それがユーザーに受け入れられた。アプリを複数提供している企業は総じてダウンロード数が多くなる傾向にある。

国内MAUランキング(カッコ内はパブリッシャー名)

5位 McDonald's Japan(McDonald's Japan)
4位 Yahoo!乗換案内(Yahoo Japan)
3位 Yahoo!天気(Yahoo Japan)
2位 Yahoo! JAPAN(Yahoo Japan)
1位 LINE(LINE)

MAUとは「月間アクティブユーザー数」のことで、アプリを実際に利用しているユーザー数を表す指標だ。これを見ると1つのアプリごとにユーザー数を測ることができる。首位は「LINE」であり、2位以降にはヤフーのアプリや、5位にマクドナルド、7位に楽天などがランクインした。こうした生活に必要なアプリは、ダウンロード後も長くユーザーに利用されていることが分かる。

アプリ市場は常に順位変動・新規参入がみられる

Top Publisher Awardsは過去6年行われており、そのたびにランクイン企業は変化し、新規参入企業が上位を獲得することもある。今年世界収益ランキングでトップをとった「Tencent」は2015年時点では6位であり、2016年に初めて首位を獲得できた。

新陳代謝が早いアプリ市場だからこそ、常にユーザーのニーズをキャッチして満足のいくコンテンツを提供していかなければならない。2017年にはランキングを覆すほどのアプリが出てくるのか、期待せずにはいられない。(吉田昌弘、フリーライター)