歌舞伎や能などと並び、日本が誇る古典芸能「落語」。かつては落語に対して「敷居が高い」「年配の人向け」というイメージを抱いていた人も多かったようですが、最近では漫画の題材として取り上げられることが増え、若い人の間でも流行の兆しをみせているとか。
落語や噺家をフィーチャーした漫画にはどのような作品があるのか、詳しく見ていきましょう。
アニメも大ヒット「昭和元禄落語心中」
「昭和元禄落語心中」(雲田はるこ著)の主人公は、刑務所の落語慰問会で見た大名人・八雲の落語「死神」が忘れられなくなった元チンピラの与太郎。与太郎は出所後、内弟子をとらないはずの八雲の住み込み弟子になります。
同漫画は伝説の名人でありながら夭折した助六と一人落語界に残された八雲の因縁噺や、与太郎の破門騒動などを描いた「与太郎放浪篇」からスタート。そして「八雲と助六篇」、「助六再び篇」と続いた後、昨年9月に発売された10巻でついに完結しました。
最後まで読み切って感動するファンが続出し、SNS上では「泣いた。生まれ変わったら八雲さんみたいな落語家になりたい」「読み終わってため息…尊い話だ…」「すごいよ本当に。この気持ちを表す言葉が出てこねぇ」といった反響が上がることに。
また、同漫画を原作とするアニメもTBS系の「アニメイズム」枠にて放送されており、毎週楽しみにしている人も多いよう。現在放送されているのは第二期ですが、公式サイトでは第一期のあらすじも公開されているので、見逃した人は要チェックですよ。
予備知識ゼロでも大丈夫! 「ギャルが落語家に恋したら」
今時のギャル・銀子はひょんなことから新進気鋭のイケメン噺家・新橋と知り合い、寄席のチケットを渡されます。軽い気持ちで寄席に行った銀子ですが、落語に関して全く知識がなかったため、かの有名な「まんじゅうこわい」を見てもピンと来ません。
しかし新橋に恋した銀子は、新橋に近づくため落語好きの同級生に教えを請い、寄席に通い始める…というお話。落語素人の銀子が落語にツッコミを入れるシーンは「『やっぱそう思うよね』とつい言いたくなる(笑)」
「初めて聴く人のツッコミ入りだと落語のあらすじ説明もこんなに面白くなるのね」と絶賛されています。落語のことをあまり知らない人も、落語の魅力を再確認したい人にもおすすめですよ。
注目作品が続々と・・・落語界はもちろん、料理界からも注目の新連載がスタート!
日本文芸社の「漫画ゴラクスペシャル」3月号から連載がスタートした、魚乃目三太が描く落語グルメ漫画「噺めし」。小料理屋の亭主と落語家という二足のわらじを履く主人公が、落語の演目にちなんだ料理を作るというストーリーです。
読者からは早速好評を集め、「『噺めし』読んだ。ここからどうやって話を広げるか楽しみ」「魚乃目三太の新連載、『噺めし』よかった」という反響が上がっているようす。たくさんある噺のどれをチョイスするのか、またどんな風に噺と絡んだ料理が出てくるのか、今後の展開が期待されています。(提供: プレミアムジャパン )
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