前週(4/3~4/7)の東京為替市場のドル円は反落。7日金曜日の17時のインターレートは110円62銭となり、週間で1円19銭の円高だった。円の高値は110円14銭、安値は111円59銭(海外市場を含む)だった。

3日の東京為替市場は、新年度入りでドル円は反落。東京時間17時のインターレートは111円43銭と先週末比38銭の円高となった。 トランプ政権に対する不透明感は強く、週末に米雇用統計、米中首脳会談を控え模様眺め気分が強く111円30銭をはさんで狭いレンジ内の動きだった。

4日の東京為替市場は、ドル円は続落。110円48銭で商いを終え、前日比95銭の円高だった。ロシアで地下鉄爆破事件が起き、米国が北朝鮮を制裁対象にする動きが伝わった。地政学リスクの高まりからリスクオフの動きとなり円高が進んだ。一時3月27日以来となる110円34銭まで進行したが、110円近辺でのドル買い意欲は強くドル円は110円半ばまで反発した。

5日の東京為替市場は、ドル円は3日ぶりに反騰。110円61銭で商いを終え、前日比13銭の円安だった。同日夜にFOMCの3月の議事録や雇用統計の前哨戦となるADP雇用統計の発表を控え、円高が一服する展開で方向感がでず、110円80銭を挟んで狭いレンジでの取引だった。

6日の東京為替市場は、ドル円は小幅反落。110円53銭で商いを終え、前日比8銭の円高だった。米FOMC議事録で、量的金融緩和で膨らんだ債券ポジションの縮小の議論やNY株がかなり割高だとの認識がでていることが確認され海外で株安、円高が進んだ。

さらに、朝方北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、米朝関係の緊迫化への懸念が高まったことで日経平均は264円の大幅安で年初来安値を更新した。ドル円もリスクオフで一時110円29銭を付けたが、4日同様に110円近辺でドル買い意欲は強く反転している。

7日の東京為替市場は、ドル円は反騰した。110円62銭で商いを終え、前日比9銭の円高だった。朝方はNYダウが小幅ながらも反騰したことでドル円も110円90銭と円安で始まった。

午前10時過ぎに米国がシリアにミサイルを発射したと伝わると、リスク回避でドル円は一時110円14銭まで急落、日経平均も一時1万8517円43銭とザラ場の年初来安値を更新した。ただ、ドル円はまたしても3月27日の安値110円12銭をブレークせずに反転した。ドル円の反転を見ながら、日経平均もじり高となり67円高で引けた。

「4/10~4/14」の為替展望

週間為替見通し
(写真=PIXTA)

17日のNY為替市場では、ドル円は雇用統計後一度大きく売られたが反転し111円台をつけ、下ひげの長い陽線になった。

注目の3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が9万8000人とコンセンサスの18万人を大きく下回ったため一時110円14銭までの円高となった。ただ、失業率は4.5%と10年ぶりの低水準に低下し、平均時給も前年比2.7%増だったことでそれほど悪い内容ではなかった。

また、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁が量的金融緩和で膨らんだ保有資産の縮小を始めた場合でも、利上げの休止期間はごく短い間になりそうだと発言した。市場では、思ったよりは利上げに前向きだと受け止められ、米長期金利が上昇し円売りが加速した。

今週の為替市場のメインシナリオは、110円から112円のレンジを想定している。週末に欧米主要国でイースター休暇の連休を控えており、ポジションを傾けづらいところだろう。

トランプ政権に対する不信感は高まっている。特に法人減税が先送りや、公言していた額より小幅になるときにはリスクオフで株が売られ円高進行という可能性がある。

地政学リスクも続く。北朝鮮の動きは読みづらい。シリアの空爆は、現状では世界経済への影響は軽微との見方になっているが米ロの関係悪化が懸念される。

テクニカル的にはドルのリバウンドが期待される。ドル円は110円12銭の3月27日安値を何度もトライしているが110円近辺でのドル買い意欲は強くサポートされている。先週末の雇用統計でドル円は長い下ヒゲをつけた陽線になった。雇用統計でのヒゲは相場の転機になりやすい。

110円12銭のサポートがブレークされた場合は、200日移動平均の108円47銭、52週移動平均の108円28銭あたりが次のターゲットになる。円ドルのレジスタンスは何度も打ち返されている112円になるが、抜けた場合は21日線の112円50銭が次のめどになる。

今週の主なイベントは、10日に日銀支店長会議、10~11日にG7外相会合、15日金日成生誕105周年。北朝鮮はイベント時に世間を騒がせるようなことがありがちだ。今週末はイースターで、14日金曜日は欧米主要国で休場が多い。NY為替市場は開場。経済指標は、日本では12日に3月の機械受注。海外では14日に米3月のCPI、小売売上。注目される指標は少ない。(ZUU online 編集部)