「特定優良賃貸住宅」という言葉をご存じでしょうか。これは、地方自治体から家賃補助が受けられる、法律基準を守った優良な物件のことです。

今回は、特定優良賃貸住宅のメリットとデメリットについて紹介します。

特定優良賃貸住宅とは?

housing
(写真=shuter/Shutterstock.com)

特定優良賃貸住宅とは、地方自治体から家賃の補助金を受け取ることのできる賃貸住宅です。「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」の規定によって定められた、一定の基準を守って建設されている良質な物件を指します。

特定優良賃貸住宅は「特優賃」と略されます(以下、特優賃)。特優賃の特徴としては、一定の法基準を守って建設されている住宅であるため、住宅の質が高いことが挙げられます。

具体的には、専有面積は50平方メートルから125平方メートル、間取りは2LDKから3LDKが中心になっていることから、一般的なファミリー世帯が住むには十分な広さです。さらに、専有面積の9%以上を収納スペースにすることが定められています。加えて、耐火または準耐火構造のため、万が一他の家から火事が発生した場合でも延焼を防ぐことができる構造となっており、延焼の拡大の防止や類焼を防止する効果があります。天井の高さは2.3メートル以上と、十分な天井の高さがあります。天井が高いことで、より広さを感じることができるようになっています。

特優賃のメリットは?

特優賃には、住宅の質の良さ以外にも次のようなメリットがあります。

家賃の補助があるため、月々の家賃支払額を低く抑えることが可能になります。つまり、優良住宅を普通に借りるよりも安く借りられるということになります。

通常、賃貸物件を借りる際には敷金と礼金の支払いが必要になります。敷金や礼金は月額の家賃を基準にして計算され、礼金は原則として返金されません。不動産業者を通して賃貸物件を契約した場合は仲介手数料も負担する必要があります。しかし、特優賃の場合は、礼金や仲介手数料を支払う必要はありません。敷金は家賃料の3ヵ月分が必要ですが、敷金は退去時に必要な修繕費を差し引いた上で返金されるため、きれいに利用すればそれだけ返金額も大きくなるというメリットがあります。更新料も必要ありません。

管理も公社や認定基準を満たした指定法人によって行われます。入居者管理から建物のメンテナンスまで幅広く行われるため、安心した快適な暮らしができるようになっています。

特優賃のデメリットは?

特優賃には以下のようなデメリットもあります。

・ 補助が出るのは新築から最長20年
・ 昇給すれば家賃も上がる
・ 希望しても必ず入れるわけではない

特優賃は、一定の期間が経過すると家賃補助が終了します。これは各自治体によって異なりますが、家賃補助は借りている間、ずっと支給されるわけではありません。家賃は給料額などの収入額に応じて算定されますので、昇給などによって年収額がアップした場合は家賃もアップします。

また、特優賃は人気の高い物件となっていることから、希望したとしても抽選により当選しなければ入居することができません。当選した場合も審査があり、それを通過する必要があります。

特優賃のメリット・デメリットを踏まえた上で

「少しでも家賃を抑えたい・いい賃貸物件に住みたい」これは多くの人が考えていることではないでしょうか。従業員に対して、特優賃を紹介することは福利厚生の面から考えても有益なことといえます。

しかし、特優賃はメリットが多い反面、デメリットもあります。福利厚生担当者として特優賃を従業員にすすめる際には、留意しましょう。(提供: フクリ!

【オススメ記事 フクリ!】
ちゃんと答えられる?いまさら聞けない福利厚生と手当の違い
税金も保険料もお得に!現物給与のススメ
そもそも論!福利厚生って何であるの?
企業も社員もいいことだらけ!社宅のメリット6つ
知らなきゃ損する!社員寮の隠れたメリット