JR東京駅周辺で予定されている「常盤橋再開発プロジェクト」で、三菱地所 <8802>は4月17日、開発計画の第一弾の建設となるD棟の地鎮祭を執り行った。工事の着工は2017年4月末。完工は2021年12月末を予定している。2023年着工予定のB棟は、高さが約390メートル。完成すれば大阪市の「あべのハルカス」を90メートル上回り、日本一高いビルとなる。

計画から10年超かけて行う、3.1ヘクタールの再開発

再開発,東京駅,三菱地所
日本橋川方面からみた外観イメージ(画像=三菱地所プレスリリースより)

今回発表が行われた「大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業」は、JR東京駅の北側、日本橋口前に広がる常盤橋街区の再開発を目的として行われる。2015年に計画が発表され、解体工事は2016年4月に開始。そしていよいよ新築工事がスタートする。現在同エリアにある、大和呉服橋ビル、旧JXビル、朝日生命大手町ビル、日本ビル、JFE商事ビルは一体で再開発が行われ、隣接する常盤橋公園も再整備される計画だ。

D棟の着工を皮切りに、全部で4棟のビル開発が行われる。A~D棟の4つが段階的に建設され、A棟とC棟は2018年1月、B棟は2023年度中の着工の予定だ。A棟とB棟の間には大規模広場のスペースが確保される計画で、街区全体の竣工予定は2027年度としている。敷地面積は3.1ヘクタールに及び、東京駅周辺では最大規模の再開発となる。

東京都下水道局銭瓶町ポンプ所も合築

今回のプロジェクトでは、地下の一部にポンプ所を合築(がっちく)する日本ビルも再開発の対象だ。ポンプ所とは1964年に建築され、現在も重要なインフラとして機能している東京都下水道局銭瓶町ポンプ所のことである。下水ポンプの機能を稼動させた状態のまま、かつ機能更新の必要もあることから、今回の工事では「ビルの解体工事を分割して行う、部分解体の工法を採用」して実現させるという。D棟は竣工後に東京都下水道局の所有となり、地上階も主に東京都下水道局の事務所として利用される予定だ。

計画地から区道104号線を挟んだ場所にある常盤橋公園は、三菱地所が所有するJFE商事ビルの解体に伴い、面積を拡大する。三菱地所は計画地と合わせて整備することによって「一体的な緑の賑わいを作り出します」としている。

施工は三井住友建設 <1821> が行い、今回の事業権利者には、三菱地所、東京都下水道局、大和証券グループ本社 <8601> 、三越伊勢丹ホールディングス <3099> 、東京電力パワーグリッド(東京電力ホールディングス <9501> )、大手町開発、独立行政法人都市再生機構などの名前が並んでいる。

東京駅周辺の地区では、再開発が相次いで行われている。大型のプロジェクトでは、三井不動産による「八重洲二丁目北地区再開発事業」、東京建物 <8804> が主体の「八重洲一丁目東地区再開発計画」、そして今回の常盤橋街区再開発プロジェクトだ。

いずれも完成は東京オリンピック・パラリンピック後だが、今後10年の間に赤レンガ駅舎の周りには、超高層ビルが続々と立ち並び、東京の玄関口はさらに大きな変ぼうを遂げるだろう。(ZUU online 編集部)