中国は4月26日、遼寧省大連市で初の国産空母の進水式を挙行した。人民日報国際版の環球網はこれに対する各国の反応を掲載した。それぞれどのように分析しているのだろうか。どうやらインドと日本の反応が中心テーマのようである。

ドイツ、米国、インドの反応。「インドは後悔」

中国,中国軍
(写真=Hung Chung Chih/Shutterstock.com)

ドイツの「独国之声」は、中国初の国産空母進水のニュースは国内メディアとネットユーザーを沸き立たせた。ただしその一方不安に思っている人たちも存在すると伝えている。
米国政府系シンクタンク、ランド研究所の軍事専門家は、新空母は中国がアジア地区最強国家を目指している証左である。これはインドの心胆を寒からしめている。なぜならインドは長い空母運用の歴史を持ちながら、国産空母の建造は遅々として進まなかったからである。性能レベルの比較はさておいて、中国の国産空母建造のスピードは猪突猛進という形容に値する。中国の国産空母を見て、インドには不安と緊張がひろがっている。

そのインドでも主流メディアの関心は高い。「インディアン・タイムス」は“中国の国産空母10の観点”という特集を掲載し、設計から命名に至るまであらゆる角度からからこの新空母を分析した。ニューデリーテレビは「インドがのんびり建造している間に、中国は進水してしまった。」と慨嘆した。また多くのメディアは、中国2隻めの空母進水は、インドの意気を消沈させた。インドの空母は1隻だけである。インド政府は財政難を問題にしているが、深謀遠慮と政治的決断が足りなかった、などと報道している。

台湾、日本の反応「日本は羨望と嫉妬」

進水当日の外交部記者会見において、台湾人記者が次のように質問した。「進水した第2の空母も、1号艦の「遼寧」同様、台湾海峡で対フィリピン向けの訓練航海を行うのか?」これに対し報道官は「国防現代化建設の偉大な成就を喜ばしく思う。国家主権と領土の保全を増進させ、中国の重大核心利益の維持能力を保持する。」と見当違いの答えをしている。もっともどんな質問をしても答えは同じだったろう。

さて日本である。日本メディアは“不安”のみ口にしている。NHKは今後少なくと4隻を建造予定とし、海軍活動範囲は拡大するだろう。中国の海洋進出と軍事力増強への懸念が強いと報道した。

ネットユーザーのコメントは“嫉妬と羨望”で満ちている。「中国の国産空母はかつての東西冷戦のコピーをもたらす。」「日本は80年前10隻以上の空母を建造していた。」などという類のものだ。しかし客観的な日本人ネットユーザーたちはこの種の論には与しないだろうと予想している。また別のネットユーザーによる、中国は今まさに空母の建造ノウハウと運用技術を蓄積している。上海で建造中の第3番艦がそれらを集大成した"本命″となるだろうとの推測も紹介している

この記事のタイトルそのものが「日本ネット民は胃液逆流」となっている。他国の反応も紹介しているが、一番強調したかったのはこの部分であろう。中国ネットニュースは、最近まで日本のヘリコプター搭載護衛艦「出雲」を、完全に空母ではないかと批判、警戒する記事をさんざん載せていた。

どうもその「出雲」に対する答えはこれだ!という感覚のようである。しかし今はもうミッドウェー海戦の時代ではない。空母はすでに威嚇専門の兵器である。その点ではきわめて中国向きといえる。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)