4月の米中首脳会談において、貿易是正「100日計画」の策定が合意された。

ただし中国メディアはあまりこれに触れていない。日本メディアも、外貨持ち出し制限の緩和や、自動車工業における合弁条件の緩和などが発表されるたびに、それに関する動きだろうと推定するくらいである。

そんな中、ネットメディア「今日頭条」は応援する意図なのか、米国へ巨額投資した中国企業6社を紹介する記事を掲載した。それも世界を震撼させたという形容詞付きである。以下6社の案件を紹介する。また日本との関わりも付記する。

6〜4位 自動車やECなど

中国,投資,米中関係
(写真=Sean Locke Photography/Shutterstock.com)

(6)吉利集団(自動車)

吉利集団は1986年の創業の民間企業である。冷蔵庫製造からスタートし1997年から自動車製造に進出した。2015年売上230億USドル。現在では民族系自動車会社の代表である。

2010年、吉利集団は米国フォード車よりボルボ乗用車部門(ボルボ・カーズ)を13億ドルで買収した。全部現金で支払ったらしい。そして100年ブランドを手に入れた。これは当時、中国自動車工業最大の買収事案であった。

【日本との関わり】 中国製ボルボは日本に導入されていない。日系部品メーカーは商品供給を行っている。

(5)阿里巴巴(電子商取引)

阿里巴巴は2016年、共同購入型クーポンサイトのグルーポンに数億ドルを出資した。これにより5.6%の株式を取得し、第4位株主となった。阿里巴巴が主導権をとるには十分ではない。しかし馬雲は決して近視眼的な人間ではない。これを契機としてさらに大きな構想を描いているに違いない。

【日本との関わり】 ソフトバンク <9984> は阿里巴巴の創業時から出資している大株主、昨年一部売却したことで話題となった。

(4)海航集団(コングロマリット)

航空、観光、金融、物流、ハイテクを中心とする海南島を本拠とする企業集団。ジョージ・ソロスは第3位株主である。総資産は6000億元、傘下に上場企業12社を持つ。

海航集団傘下の天津天海投資は2016年、IT機器関連の卸売商社イングラム・マイクロを38億9000万ドルで買収した。やはり現金払であった。同社の売上は60億ドルを超えていたため、商業企業買収史上最大規模だった。世界のビジネス界が嘱目した案件であった。

【日本との関わり】 買収対象は欧米やオーストラリア中心。なおイングラム・マイクロはソフトバンクと1998年から業務提携をしていた。

3〜1位 首位は食品