2017年第一四半期の中国と全世界のスマホ販売シェアランキングが発表された。アップル優位の日本それとは大きく異なっている。中国ブランドはシェアを拡大し順調である。世界レベルのサプライヤーを複数かかえるのは今や中国だけだ。この勢いに中国ネットの鼻息は荒い。

世界ランキングではAppleは2位

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(写真=leungchopan/Shutterstock.com)

2017年第一四半期のスマホ販売は3億4700万台となり、前年同期比4.3%増だった。世界シェアは次の通り。カッコは前年。

5位 VIVO  5.2%(4.4%)
4位 OPPO  7.4%(5.9%)
3位 華為 9.8%(8.4%)
2位 Apple 14.9%(15.4%)
1位 サムスン 22.8%(23.8%)

その他  39.9%  (42.1%)

サムスン、Appleの2トップがシェアを落とし、3〜5位の中国系3社がシェアを上げている。

華為、OPPO、VIVOはスマホ界の劉備、関羽、張飛?

ネットニュース大手「今日頭条」は、このような状況を「三国志」にたとえている。サムスンは呂布、華為、OPPO、VIVO をそれぞれ劉備、関羽、張飛になぞらえているのだ。呂布は歴史上では、最も早く姿を消す。

その後、劉備、関羽、張飛が活躍する。それではアップルは?この筆者は周瑜に例えている。周瑜は劉備、関羽、張飛を分断しようとして失敗、その後急逝している。アップルにはそうならないように気をつけろという忠告のつもりだろうか。以下3ブランドを概観してみよう。華為以外は秘密めいている。

華為 ……1987年設立、本社は広東省・深セン、従業員17万人。売上628億5500万ドル(2015年)

OPPO ……2003年設立の広東欧珀移動通信有限公司のブランド名。本社は広東省・東莞市、2017年ブランド忠誠度ランキングでトップ。

VIVO ……2009年登録されたブランド名。今は2010年設立の維沃移動通信有限公司に所属。本社・東莞市

OPPOとVIVOはネット辞書で調べても詳細はほとんどわからない。たた両ブランドともに“歩歩高”の傘下にある。

歩歩高ー1995年設立。本社・東莞市。当代中国家庭用電子企業の代表。VIVOとの関係は公にしている。やはり詳細データの記載はない。

中国ランキング

中国国内の第一四半期シェアは次のようになっている。

6位 サムスン 5.9%
5位 小米 8.2%
4位 Apple 14.4%
3位 VIVO 17.9%
2位 OPPQ 18.7%
1位 華為 19.2%

その他 15.7%

となっている。特徴的なのはアップルだ。大都市になればなるほどシェアが高い。

売れ筋機種は以下のようになっている。全体シェアとネット通販(天猫)での価格を記載した(1元約16円)。

5位 Apple iPhone 6S  2.3% 3988元
4位 VIVO X7 2.3% 無
3位 VIVO X9 2.4% 2798元
2位 Apple iPhone 6 3.0% 2698元
1位 OPPQ R9 5.5% 2799元

OPPO R9は4四半期連続トップという大ヒットとなっている。特徴的な出来事は通販に特化した「小米」があっけなく沈んだことである。どうやら中国を代表するのは3このブランドで決まったようだ。ネット上では、国産の品質はどんどん上がっている、世界制覇を応援する、という声が強い。かたや日本メーカーは根回しや稟議に時間をとられているうちにガラパゴスに置き去りにされてしまった。もはや世界市場での出番はなさそうである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)