海の幸を手ごろな価格で味わうことのできる「磯丸水産」などのチェーンを展開しているSFPダイニング(以下SFPダイニング)の売上高が好調だ。

これまで業績においては若干の苦戦が続き、株価も少々低迷気味のSFPダイニングだが、最近ではやきとりの鳥良や新規事業などの出店戦略変更により業績回復への取り組みを積極的に行っているようだ。

そのSFPダイニングが4月、決算説明資料として平成30年の業績通期見通しを今後の事業戦略概要とともに発表している。同社の業績展開や動向などを確認しながら、今後の展望をまとめてみたい。

SFPダイニングの特徴を解説

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(画像=Webサイトより)

SFPダイニングは「磯丸水産」「鳥良商店」「鳥良」「きづな寿司」「鉄板200℃」などの飲食店を展開している。この中で業績に大きく貢献する主力の店舗が磯丸水産と鳥良だ。和食中心のようにも見えるが、ワインバーやスペインバルなど洋風の店舗も扱っている。主に繁華街や路面店に店舗を出している。

同社は2014年12月に東証2部へと上場、残念ながら初値が公開価格を下回る結果になったものの、高利回りの優待を実施していることなどから個人投資家から人気を集めている。株価は未だ1400円台と最低単元(100株)の投資であれば、比較的投資しやすい株価だといえる。

また同社はクリエイトレストランツホールディングスと資本提携し、傘下に入っている。なおSFPダイニングは平成29年6月1日から名称を「SFPホールディングス」へと変更する予定だ。

主力の磯丸水産が好調 今後の課題は「利益率」の改善

SFPダイニングの売上高は前年同月比でみると平成28年度の316億円から平成29年度の359億円と13.4%増加、過去最高を更新している。

背景には鳥良商店など鳥良事業が好調であることが挙げられる。また出店目標41店舗に対して、40店を出店するなど1店舗及ばなかったものの、出店ペースは堅調だと言える。

ただし、売上高に対する経常利益の割合を見てみると、27年度が11.7%、28年度が11.1%、29年度が9.9%と利益率を上昇させることが今後の課題と言える。後述するタブレット端末の導入などにより人件費を多少なりとも抑制することができれば、今後の新規出店に伴う費用などをカバーすると同時に利益率も多少なりとも向上する可能性はあるだろう。

業務効率化と新業態へのチャレンジなど売り上げ拡大へ

今後SFPダイニングが売上を増やしていくにあたり、次の4つのポイントを挙げている。

(1)既存店の改装
(2)タブレット注文の導入
(3)新規事業への挑戦
(4)出店エリアの方向転換

15年経過した店舗に関しては改装を行うことで、集客力アップにつなげたり、従業員のモチベーションを上げることへとつなげる模様。また店舗にタブレットを設置することで、注文時の従業員と顧客のやりとりの手間やミスなどを省き業務の効率化へとつなげるとのことだ。

また、今回SFPダイニングは、あらたに餃子販売専門店「トラ五郎」を3月27日にオープンさせている。餃子はテイクアウトなどでの販売も容易なため一度人気が出れば、餃子販売事業は収益力を支える事業となるはずだ。今後は餃子に加え、新たな事業を模索していくことが求められている。

最後に、これまでの出店方法を、「都市集中型」の出店戦略へと変更することを発表している。いままでは「鳥良商店は磯丸水産の近隣に店舗を出す」「磯丸水産は郊外エリアへと出店を加速する」という戦略だったがこれを新たに以下のような戦略へと変更する方針だ。

「鳥良商店は都心一等地の未出店エリアへと出店」
「磯丸水産は関西への出店を加速」

とのことだ。あえて郊外でなく都市部の働く人口の多い場所へと出店を加速することで、顧客獲得を狙う模様だ。

昨今では飲食店の出店戦略があたり業績と株価が意外高する企業が散見される。最近ではいきなりステーキを展開するペッパーフードサービスのように株価が数ヶ月で3倍ほどになる企業もあるくらいだ。

SFPダイニングの今後の事業展開に大いに期待して、売上と株価の上昇を待ち望みたい。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「 インカムライフ.com 」。著書に「超優待投資・草食編」がある。

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