事業を展開する上で、資金繰りは大きな課題です。いざというときに資金がなければ、思い切った展開をすることもできません。そこで、ビジネスローンを借りる前に、どういった返済方法があるのかまで理解して、状況に応じて迅速に判断できるようにしましょう。
代表的な返済方法は2つ
返済方法は金融機関によって異なってきますが、今回は扱っている金融機関の多い「元利均等返済」と「元金一括返済」の2つの方式を紹介します。シミュレーションを交えながら、2つの違いを説明しましょう。
今回は300万円を実質年率15%として、ビジネスローンで借り入れたと仮定しましょう。(利息は30日計算とし、追加融資はなしを条件とします。また、返済シミュレーションは各社によって異なりますのでご注意下さい)
元利均等返済とは?
1つめにご紹介するのは「元利均等返済」です。これは、借りた元本の返済と利息の合計額が毎回同じ返済額となるように設定された方法です。借りた当初は、毎回の返済額のうち利息部分が多くなるように設計されていますが、返済が進むにつれて返済額の内訳では元本部分が多くなるようになります。住宅ローンにもこの返済方式があるので、ご存知の人も多いでしょう。
300万円を60回で返済していくと、月々の返済額は7万1,400円(×59回)、最終回のみ6万8,680円の総返済額428万1,280円になります。
元利均等返済のメリットは、毎回の返済額が同じであるため、返済計画が立てやすい点です。返済額を固定させたい場合には、元利均等返済が向いているといえます。一方で、当初の返済においては利息部分の割合が多くなるため、ある程度早めに返済したほうが利息軽減効果は大きいといえます。
もし半分の30回で返済した場合には、月々の返済額は12万600円(×29回)、最終回のみ11万8,256円の総返済額361万5,656円になります。この数字からも早期に返すことで、返済する利息額を押さえられることがわかります。
元金一括返済方式とは?
2つめにご紹介するのは「元本一括返済方式」です。その名のとおり、借りた元本を一括で返済するものです。たとえば、数カ月間資金が手元にあれば売掛金の入金で資金繰りは悪化しないといったケースでは、その期間だけお金を借りたいというニーズが発生します。この場合には何年もお金を借りる必要がないため、数カ月後にまとめて資金を返済したほうが合理的です。
この場合、元金を返済する最終返済日までは利息分だけを支払って行くことになります。ですので、300万円を12回で返済していくと、月々の返済額は3万8,219円(×11回)、最終回は元本と利息分で303万8,219円になります。総返済額は345万8,628万円になるのです。
この方法では、最終回に元金を返済するまで借入額は変わらないため、返済回数を変えても1回に支払うべき利息額は変わりません。6回で返済する場合は、5回は利息分の3万8,219円を、最終回は元本と利息分で303万8,219円を、総返済額は322万9,314円になります。
短期間のつなぎ融資で利用した場合には最適な返済方法といえますが、期間が限定されるためその間に返済できる見込みがあることが前提となります。
いずれの方法で返済するかは、その時の状況によって異なるでしょうが、注意したいのは、あくまでローンであるということです。返済が長引けば長引くほど、金利負担が重くのしかかるため、ビジネスローンは長期で借りるより短期間で返済し、利息負担を軽くすることが鉄則といえます。
効率よく利用すればメリットの方が大きい
ビジネスローンはうまく利用することで資金繰りの悪化を防いだり、新規事業などを展開したい場合の布石となる資金にしたりすることができます。また、返済期間を短くし、早めの返済を行うことで利息を軽くする効率的な利用を行えば、ビジネスローンのメリットを享受できることでしょう。ビジネスローンをよく理解しておくことは、今後のビジネスにおける飛躍の種となるかもしれません。(提供: ビジネスサポーターズオンライン )
※当記事は2017年4月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。
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