社員寮に入った場合でも、引越した場合は住民票の異動手続きが必要です。この手続きの際には、世帯主の届出をすることになります。通常家族で住んでいる場合は、世帯主を決めることは難しくありませんが、社員寮についてはどのように考えるのでしょうか。住民票の基礎とともに紹介していきます。

住民票の考え方

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(写真=Peshkova/Shutterstock.com)

住民票は、誰がどこに住んでいるのか、地方自治体が把握するために用いられるものです。生活している場所の自治体から、住民サービスを受けることになります。地方自治体が提供する住民サービスは、その場所で生活していることが条件です。

例えば、短期的(一時的)な単身赴任などのように生活の本拠が家族の元にあり、一時的に社員寮を使用しているような場合は、生活の本拠に該当せず、住民票の異動をする必要はありません。サービスを受けられるかどうかは、生活の本拠となるかどうかによって判断されます。生活の本拠とは、その人の住所です。

また、住民票によって、選挙権や地方税の納税、国勢調査の基準とされることになります。正しい居住地において住民票を登録する必要があるのです。転勤に伴い転居するような場合は、基本的には生活の本拠に変更がある場合とされ、転居や転入から14日以内に地方自治体に、住民票の異動に関する手続きを行う必要があります。地方自治体が変わる場合は、もともと住んでいた住民票がある地方自治体においても、転出届を提出する必要があります。

注意が必要となるのは、転居の場合です。例えば、もともと東京都港区に住んでいて、社員寮も港区内にある場合などは地方自治体に変更がありませんので、住民票の手続きをする必要がないように思えてしまうのですが、こちらも生活の本拠に変更がありますので、住民票の手続きが必要になります。この場合は転居届を提出する必要があり、14日以内に届け出なければなりません。

社員寮における住民票の取り扱い

社員寮でも賃貸アパートでも実家でも、その場所で生活しているという点に変わりはありません。そのため、社員寮に入って日々生活している場合は、社員寮の住所に住民票を異動させなければなりません。
この場合の世帯主は、ファミリータイプの社員寮の場合では、家族内で世帯主と決めている人が世帯主として届け出ることになります。

一人暮らしの場合は、社員寮に入ったその社員自身が世帯主となります。社員寮の場合、共用スペースがあり、部屋単位で独立しているような場合は、基本的に同じ住所地となるため、同じ住所地にいくつもの住民票があるのはおかしいと思うかもしれません。しかし、住民票はあくまでも個人を単位として登録することが基本で、世帯については、その個人の生計を同一とするような人がいないような場合には、その個人が世帯主になるとすればいいのです。

また、同じ住所地でも、世帯が異なる場合があります。そのため、社員一人ひとりがそれぞれ世帯主として住民票の登録することは可能です。他に家族がいない独身の場合は、その従業員自身が世帯主として登録します。このような住民票の考え方は、一人暮らしでアパートなどに住んでいる場合と基本的に同じです。

社員寮における手続きの周知を徹底させる

住民票は、単純に「自分が行政サービスを受けられないだけなのだから、異動させなくてもいい」と考えて手続きをしない人もいますが、転入や転居してから14日以内に届け出る必要があると法律に規定されています。

そして、住民税の支払い先になることや、選挙権など重要な権利についての基準となるものです。そのため、担当者としては社員寮に入寮した従業員に、住民票の手続きの周知を徹底させる必要があります。(提供: フクリ!

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