中国の一人当たり国民総所得(GNI)は大幅な増加を続けている。2012年には、5870ドルだったのが2015年には7880ドルに増加した。1万ドルも視野に入り、政府はすでに中進国の水準に達したとしている。増加した所得はどのように消費されているのだろうか。直近のデータを探りながら、近未来の中国の消費動向を探ってみよう。

消費傾向、統計局のデータ

中国,富裕層
(写真=PIXTA)

まず官製の国家統計局データから。2017年1月~5月までの社会消費品小売総額は14兆2561億元となり、前年比10.3%の伸びだった。ここ2~3年、ほとんど毎月10%前後で極めて安定している。これを信用するかどうかは別として、消費傾向のうかがえるデータを取り上げてみる。

1月~5月のネット通販売上は、2兆4663億元、前年比32.5%の伸び、そのうち実物商品の売上は1兆8798億元、前年比26.5%の伸びだった。ネット通販シェアは実物で13.2%である。これはは日本の約3倍だ。

次に平均伸び率の10.3%を上回る商品群を見てみよう。飲料類(酒類除く)13.3%、家具13.0%、石油及び石油製品12.0%、薬品類11.7%、油・食品類11.6%である。逆に伸びの悪い商品群は、服装・紡織品7.2%、通信機材8.1%、金銀宝石8.2%だった。

消費傾向、調査会社のデータ