小池百合子氏が率いる「都民ファーストの会」が参戦した東京都議会議員選挙。彼女自身の人気に加え、公明党との選挙協力など話題に事欠かず、事前予想や選挙結果の論議は大いに白熱した。

ところで、選挙と資産運用には、類似している部分があることにお気付きだろうか。今回は視点を変え、選挙と比較しつつ資産運用について考えてみよう。

(写真=Everett Collection/Shutterstock.com)
(写真=Everett Collection/Shutterstock.com)

「美人投票」って何? 選挙と資産運用の関係

投資家の行動パターンを表す概念として「美人投票(Keynesian beauty contest)」という用語がある。経済学者であり投資家でもあるケインズが示した理論だ。それは「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票させ、投票数が一番多かった美人を選んだ人に賞品を与える」とする。すると、投票者は「自分自身が美人と思う人」ではなく、「平均的に美人と思われる人」へ投票するようになるというものだ。

つまり、賞品を手にするためには、大多数が好ましいと判断する美人を見抜くことが大切なのであって、自分とって美人かどうかは関係ないのだ。これはまさに、株式市場において人気筋の銘柄を選ぶときと同じというわけだ。

選挙の場合、資産運用と似てはいるものの、純粋に自分の支持する政党や人物に票を投じればよい。他の投票人の判断をわざわざ予想しても、特段意味はないからだ。しかし、資産運用においては、この美人投票と同じ現象が起こるため、判断が難しい。

「美人=業績のいい投資対象」が必ずしも利益をあげるわけではなく、人気を集めた投資対象こそが値上がりするという現象が起こっているのである。

美人投票は難しい? 投資運用の難しさとは

しかし、美人投票の理論を頭で理解していても、投票結果を毎回正しく読み切ることは難しい。なぜなら、美人投票では、自分の判断で投資対象を選ぶのではなく「きっと皆がこの投資対象を買うに違いない!」と、他の投資家達の考えを予測して動かなければならないからだ。

確かに、市場を見ていると、業績はパッとしないのに急騰する投資対象がしばしば登場する。うまいタイミングで購入すれば大きなリターンが得られるため、「これぞ投資の醍醐味!」とばかりにこのマネーゲームにはまる人も少なくない。

しかし、これは不確定要素が大きい。基本的に資産価格は、短期の騰落はあっても、中長期的には本来の経済的価値に収斂していく傾向があるからだ。従って、年金資産のように中長期の目線で考える場合は、リスクをコントロールした運用方法を考えていく必要がある。

長期運用にiDeCoをおすすめするワケ

資産を長期運用する場合、実際問題としてどのような運用をすればいいのだろうか。

ひとつの答えは、資産の運用対象(アセット)を分散させ、急激な価格変動にも耐えられる配分構成にしておくことだ。これを「アセット・アロケーション」と呼ぶ。一個人がアセット・アロケーションを意識した分散投資を行うなら、個人型確定拠出年金(iDeCo)がおすすめだ。

投資対象は、景気や地域の社会情勢等によって変化する。そのため、国内外へアセットを分散させておくことで、いざというときにもリスクを回避して安定した資産形成がしやすくなる。iDeCoなら、海外株式や海外債券も取り扱っており、選べる運用商品のラインナップも豊富である。

さらには、老後の資産形成という性質上、「掛金が所得控除の対象となる」「運用収益が全額非課税になる」など、多くの税制メリットがあるのも魅力的だ。iDeCoは、低コストでより安定した長期運用が可能な、とてもおいしい制度なのである。

「iDeCoファースト」で資産運用を

投資運用にマネーゲームのスリルを求める人もいるだろう。しかし、大切な資産をゼロにしたい人はいないはずだ。

資産を長期運用する場合は、アセット・アロケーションによるリスク分散を意識し、その範囲内でハイリスク・ハイリターンの商品を楽しむようにしよう。合い言葉は「iDeCoファーストで資産運用」だ。

(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

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