住宅業界では、ZEH(ゼッチ)ゼロエネルギー住宅がひとつの流れとなっているが、国が本格的に取り組んでいる政策であるにもかかわらず、いまひとつ馴染みがない。しかし、国は約3年後の2020年には、このZEH住宅を標準的な住宅として位置付けたいと計画している。ZEH住宅が新築住宅の平均的な仕様になるのは、それほど先のことではないだろう。
ZEH住宅とは?
ZEH(ゼッチ)とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」のことである。どのような考え方の住宅かというと、1棟の住宅で1年間に使う電気やガスなどの消費エネルギーの大きさより、太陽光発電システムなどで作られるエネルギーの方が大きくなる(または同じ)住宅のことを指している。1棟の住宅のエネルギー収支はゼロまたはマイナスとなる。
電気やガスなどの消費エネルギーを極力少なくするためには、住宅そのものの性能が当然に高水準であることが求められ、エネルギーを作り出すには、太陽光発電や発電した電気を溜めておく蓄電池などの設置も必要になってくる。「省エネルギー」であり「創エネルギー」であるというのが、ZEH住宅の特長である。
国は2020年までに、ZEH住宅を標準的な新築住宅と位置付けることを目指しており、普及の目的として一定の条件を満たした住宅会社を募り、ZEHビルダーとして登録制度を設けている。