夏の株式市場には「夏の閑散相場」もしくは「夏枯れ相場」といったアノマリーと呼ばれる株価の動きの傾向がある。いわゆる夏場の株価はこう着状態に陥るというものだ。
そこから「閑散に売りなし」という格言も生まれるなど夏場は投資家にとっては取引しにくい相場になると証券業界では考えられている。そのような夏場のなかでも市場が最も閑散とするのがお盆だと言われている。
お盆期間は証券会社の営業員やディーラーなども閑散のなかでも仕事をする必要があるが、取引するにしてもどことなく熱気がない状態になりがちだ。過去3年のお盆時期の相場状況を確認すると同時に今夏のリスクを確認しておきたい。
過去の盆時期の株価の動きを振り返り
ここで過去3期の8月2週目の日経平均株価の動きを確認しておこう。
2014年8月:始値15474.65、終値14788.37(686.28円下落)
2015年8月:始値20618.31、終値20519.45(98.86円下落)
2016年8月:始値16462.29、終値16919.92(457.63円上昇)
株価だけをみると膠着どころか結構動いているという印象だ。しかし、実際に相場に対峙するとビックリするほど相場の動きが静まっていることが感じられる。
特に2015年にはお盆の週の後、チャイナショックが生じたことは記憶に新しい。チャイナショック後には株価も2万円から1万6000円付近まで調整を強いられるなど投資家にとってはきつい夏相場であった。
なお、お盆週とその後の夏場が過ぎると株価は10月に向けて大きく動く場合が多い。これはアノマリーの一種であるが、8月から10月までの安い場面で仕込み、12月の年末に売ると高パフォーマンスが出るという話も一部ある。