過去5年(2011年〜16年)で大手銀行20行が支払った罰金や弁護料の総額が、2640億ポンド(約37.3兆円)に達していることが分かった。 前期(11年〜15年)から120億ポンド(約1.6兆円)の増加で、年々膨張している。

最大のスキャンダルの法的コストを支払ったのはバンク・オブ・アメリカで、全体のほぼ20%に値する459億ポンド(約6.4兆円)にのぼる。JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレーと並び、トップ3は米国の銀行だ。

大手銀行の法的コストは2008年から3割増

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

調査はCCPリサーチ・ファウンデーションが、08年から実施しているもの。最新の結果によると、大手銀行の法的コストは最初の調査期間(08年〜12年)から32%も増えている。消費者からの信用回復とは程遠い現状だ。

5年間で総額459億ポンドというバンカメは、07年に発生したサブプライム住宅ローン危機をめぐり、住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売や住宅ローン債権の不正行為で米連邦地裁に罰金の支払いを命じられたほか、米司法省や米連邦準備理事会(FRB)から外国為替相場の不正誘導でも罰金判決が下っている。

次いでJPモルガンの法的コストは総額336億ポンド。バンカメ同様、外国為替相場の不正誘導や主要指標金利の不正操作などが原因だ。

モルガン・スタンレーは総額244億ポンド(約3.4兆円)を、スキャンダルの後始末に費やすこととなった。

支払い保障保険の不正販売で賠償金がかさむ英国の銀行

一方、英国最大のスキャンダル銀行はRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)。住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売、銀行間取引金利の不正操作などで、消費者の信頼を裏切った。それに続くロイズ・バンキンググループとは1億ポンドの微差で、総額215億ポンド(約3兆円)の出費。

ロイズも含む英国の銀行は、Payment Protection Insurance(PPI/病気や事故、失業などの理由で収入が途絶えた場合、金融機関からの貸し付けや負債の支払い保障する保険)の不当販売スキャンダルで、膨大な賠償金の支払いを命じられている。

最も強引にPPIの不当販売を行っていたとされているロイズは、最新の調査期間だけでも170億ポンドを問題の解決に投じている(ガーディアン紙より )。

CCPリサーチのマネージングディレクター、ロジャー・マコーミック氏は、調査を重ねるごとに増えていく銀行の法的コストを目の当たりにし、「法的コストに減少が見られる日が、一体いつ訪れるのかと疑問に感じる」とコメント。

16年に明るみにでた不正口座開設問題以来、スキャンダル続きのウェルズ・ファーゴの総額は108億ポンド(約1.5兆円)。しかし次回の調査結果では、さらにコストが膨れ上がっている可能性が高い。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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