米大手銀行JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEOによる、「(仮想通貨ビットコインは)詐欺であり、所有する者は愚かである」との発言に対し、ブロックチェーンスタートアップBlockswaterがEUの市場濫用規制(MAR、 Market Abuse Regulation)第12条に違反していると主張した。海外メディアが報じたもので、同条は虚偽や誤解させる情報を流布させるなどして相場を操縦することを禁じている。

モルガン自体の注文はしてないと否定

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JPモルガン・チェース(写真=Katherine Welles/Shutterstock.com)

Blockswaterのマネージングパートナー、フローリアン・シュワイツァー氏は、「ダイモン氏の主張は、ビットコインの評判だけでなく、彼自身のクライアントや良い金融システムを作り上げるためにがんばっている若い企業にも損害を与えた」と指摘している。

ダイモン氏は投資家会議の席上、「ビットコインは続いていかない。どこからともなく通貨を生み出したり、それを購入する人が賢いと思われているようなところでビジネスなどできない」(ロイター)と語ったという。さらに自社のトレーダーが暗号通貨を取引していたら「即刻解雇する。理由は2つで、第一に就業規則違反、第二に間抜けで、いずれも危険だからだ」と述べたという。影響力のある同氏の発言を受けて、ビットコイン価格は10%以上下落した。

シュワイツァー氏はさらに、ダイモン氏の発言前後にモルガンがストックホルムに拠点を置く取引会社で、顧客のためにビットコインのデリバティブを取引していることから、「相場操作の疑いがある」と指摘。モルガンの広報担当者はロイターに対し、「独自の資本を使って商品のポジションを取っておらずJPモルガン自体の注文ではない、それを購入した顧客がいただけだ」と説明したと報じられている。

FinTech online編集部

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