「顧客ニーズを知ること」は、事業が発展していくために重要な要素の一つです。それは、どんな業種にも言えますし、大手企業でも個人事業主でも変わりません。顧客ニーズを知るためには、常に新しい情報をキャッチするアンテナを張ることが大事です。大手に比べると資金や人員に限りがある個人事業主でも、上手に顧客ニーズをリサーチしていくための方法はあるのでしょうか。

顧客ニーズの把握は経営戦略の一環

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(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

顧客ニーズとは、顧客が求める要望です。顧客ニーズは顕在ニーズと潜在ニーズの二つに分かれます。顕在ニーズとはすでに必要性を理解しているものを指し、潜在ニーズとは必要性にまだ気づいていないものとなります。

顧客側と事業主の双方にとって顕在化されたニーズは、実際のマッチングによって購買に繋げられる可能性があります。

顧客側が求めるものを理解しておらず、事業主側が売るべきものを分かっている場合は、セールスプロモーションによりニーズを呼び起こせば、実際への購買に繋がることでしょう。顧客側が求めるものがあるのにもかかわらず、事業主側が何を売ればよいのか分からない場合は、徹底したリサーチを行います。

顧客ニーズに沿っていないものは、いくら商材にしたとしても受け入れられない可能性があります。そのため、顧客が求めるものを把握し、商材にすることは経営戦略としてとても重要なのです。

同業者からの情報収集を欠かさない

「これならよさそうかな」という、ふわっとしたイメージで経営を進めていくのは望ましくありません。事業の発展に繋げたいのであれば、徹底した情報取集に基づいて経営戦略を練ることが大切です。

個人事業主の場合、他人からのアドバイスを聞く機会は多くない可能性があります。その場合は同業者の動向をチェックしてみましょう。同業者仲間や交流がある人と現状の顧客動向や人気商品について議論すると、新しい視点が見つかる場合もあります。

また、繁盛している同業者が推進している商材を目でチェックできる場合は、自分の足で出向いてリサーチすることも重要です。顧客から人気を得ている理由を知るための情報収集は徹底的に行うことが大切です。

様々な調査方法の中から目的にあったものを

同業者等から情報収集を行ったら、実際に市場調査を行います。市場調査は顧客ニーズをつかむためにとても有効です。調査方法にはいくつかの手法があります。

例えば、店頭などでのアンケート調査、郵送調査、電話調査、インターネット調査、座談会などのグループインタビュー、覆面調査などがあります。それぞれの調査方法には、メリット、デメリットがありますので、目的やそれぞれの状況に応じて選びましょう。

● アンケート調査・インターネット調査

低コストで多くの回答を得られる一方、回答の内容が誇大であったり、本心ではなかったりする可能性があります。

● 郵送調査

インターネットをあまり使わない方の回答を得たい場合には有効です。しかし、返信がなく多くの回答数を得られない場合もあります。

● 電話調査

電話口だけでは細かいところまで聞き取りにくい可能性があります。

● グループインタビュー

複数の顧客から生の声を聞けるものの、コストが掛かりやすいです。また、個人的な内容などは回答を得ることが難しいかもしれません。

● 覆面調査

普段の様子を確認するには非常に有効な手段ですが、コストが掛かりやすくなっています。

顧客ニーズの把握で収益力の向上を

「顧客ニーズのリサーチまで手が回らない」と放っておくと、気付かないうちに他社に遅れを取ってしまう可能性もあります。個人事業主は自分でやりたいことを選択できるのですから、顧客ニーズを把握するために時間を割いてリサーチを行うべきです。自らの目と同業者からのヒアリングとマーケティングリサーチの結果をもとに、どのようなものが顧客に受け入れられるのかを考え、商材として展開しましょう。ニーズが分かれば、おのずと収益も向上していくはずです。(提供:ビジネスサポーターズオンライン)

※当記事は2017年7月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。