2017年2月の厚生労働省の調査によると、歯科診療所は全国に68,874件あるとされています。その数は全国のコンビニ数の約54,500件をも超えており、歯科医院同士の競争の激しさを物語っています。そして、歯科医院数の増加は2011年8月にピークを迎え、その後は頭打ちとなっていることから、現在のマーケットは既に飽和状態であることが考えられます。このような背景があるため、歯科医院の移転も頻繁に見られるようになり、各医院が集客に躍起になっているのが現状です。
歯科医院を移転して集客を最適化する
少ない患者を多数の歯科医院で取り合っているマーケットの飽和状態が考えられます。現在の「歯科医サバイバル競争」で生き残るには、これまで以上に経営に力を注ぐ必要も出てくることでしょう。そのためには、集客数を伸ばすことが大事です。
人が多い所には歯科医院も多い傾向があります。そのため、その分競争が激しくなります。いくら、歯科医としての腕がよくても、新規の患者を増やす、最後まで治療を続ける、治療終了後も定期的に検診する患者を増やすなどの工夫をしなければ生き残れないのです。
ライバルが少ない地域へ移転するメリットとは?
歯科医院が密集している地域は、ライバル同士の競争が激しく、人気の無い歯科医院はすぐに廃業に追い込まれてしまいます。そのため、激戦区の歯科医院のサービス内容は、全国的に見ても高い水準であると言われています。そのため、密集地域に歯科医院を移転する場合は、さまざまなところまで配慮をした経営を行いましょう。
激戦区で戦うのは難しいと思うなら、ライバルになる歯科医院が少ない地域への移転も検討してみてはいかがでしょうか。事前に移転先の歯科医院の評判などを調査し、マネジメント面での差別化を考えます。ライバルが多い地域と比較してサービス競争が激しくない可能性があります。他歯科医院より差別化ができるサービスが見つかれば、移転前より大幅な集客アップを目指すこともできるでしょう。基本に立ち返り、患者への丁寧な説明やスタッフの応対の仕方などの配慮を行うだけでも経営状況が良くなる可能性もあるでしょう。
移転に関するデメリットとは?
歯科医院は、移転がうまくいけば集客が期待でき、経営の安定化や収入の増加にも繋がります。一方で、思うような結果に至らなければリスクが生じます。特に、テナントであれば移転に必要な費用や休業期間はさほど掛かりませんが、土地や建物を所有していると移転に失敗した時のデメリットは大きくなります。
また、良い移転先を探すのには時間が掛かります。感覚に頼って移転先を選んで成功するほど甘くありません。ほとんどの場合は、その地域の歯科医院の数や評判、需要などを吟味して、不動産業者を何度も訪れるなど、慎重に移転先を探すのです。限られたエリアで条件に合った良い立地を探そうとすると、年単位での準備が必要になることも忘れないでください。
メリット・デメリットの両面を見て判断する
歯科医院にとって、「移転」は成功した際のメリットは大きく、失敗した時のデメリットも同じくらい大きいです。特に、移転を考える歯科医院は余裕資金が潤沢ではなく、出来ることも限られるため、移転は長い年月をかけて慎重に行う必要があります。メリットとデメリットをよく理解して、各医院の経営状況に合わせたやり方を見つけましょう。(提供:ビジネスサポーターズオンライン)
※当記事は2017年7月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。