日経平均予想レンジ20,122~20,545円

今週は、底堅い米国株や円安傾向など、良好な外部環境を背景に配当権利落ち分を埋め、先高期待が高まった。日経平均は週初今年の最高値に進んだが、その後は節目の20,500円が抵抗線として意識された。

海外の焦点

米国株は追加利上げ観測や税制改革への期待感が支えになっているものの、一方では日柄的な調整も意識されている。FRBが量的緩和で買い入れた保有資産の縮小を10月から開始することを決め、縮小は緩やかなペースで開始されることもあり、NYダウは9日続伸から史上最高値を更新した。

しかし、今週に入りトランプ大統領の一連の発言について、北朝鮮外相が「明確な宣戦布告だ」と述べ対抗措置をとる可能性について言及。米朝対立を受けて、リスク回避姿勢が強まり、日柄的な調整が懸念されている。

もっとも、過去の経緯をみると、FRBが2010年をはじめ3度の量的緩和を終了した後すべて米国株は波乱の展開となった。足元ではS&P500の予想PERは19.2倍と高水準に位置しており、割高感が増しているだけに当面振れの大きい展開の可能性には留意しておきたい。

国内の焦点

安倍首相は、9/28臨時国会冒頭、正式に衆議院解散を表明した。首相は2019年に予定する消費増税の使い道を広げ、幼児教育の無償化など「人づくり革命」に充てる意向を示し、国民の信を問うと訴えた。又、増税の使途変更に伴い、2020年度としていたプライマリーバランスの黒字化への時期を事実上先送りすることも正式に表明した。

衆議院選挙は10/22投開票となるが、経験則では、1990年の宮澤内閣以降日経平均は参議院選に向けて下落したあと、次期衆議院選挙に向けて反転上昇するパターンが繰り返されてきた。衆議院選に向けて下落したのは2012年の民主党の野田政権だけで、他の7回はすべて上昇しており、22日に向けては上昇しやすいムードの強まりが期待される。

来週の株式相場

テクニカル面では、25日、75日線のゴールデンクロス接近で先高感は高まりやすい。2015/8/18窓埋め(20,545円)となれば、2015年高値20,952円を目指す。ただ、25日騰落レシオが130%台まで上昇してきており、短期的な過熱感が意識される中、日柄的な調整を余儀なくされる場面も想定される。

以上、来週は選挙戦突入の中で、良好な投資環境を背景に戻りを試す展開と見ている。野党再編に向けた動きが本格化しており、各党の支持率傾向を探る世論調査が注目される。日経平均のレンジは上値は2015/8/18窓埋め20,545円が意識され、下値は9/19上窓20,122円が目処となろう。

株式見通し9-29

伊藤嘉洋
三オンライン証券 チーフストラテジスト