米国の貧富格差が史上最大にまで開いていることが、連邦準備制度理事会(FRB)の調査 から明らかになった。ボトム90%の総資産のほぼ2倍に相当する米国の4割近くの資産を、トップ1%が所有している。

1989年には全体の3割だったボトム90%の総資産は年々縮小し、今ではわずか2割にまで減っている。また年間所得もトップ1%は増加傾向にあるが、ボトム90%は著しく減少している。

トップの所得は増え、ボトムの所得は減っている

世界各地で広がる所得格差は米国でも例外ではない。ジニ係数などに基づいて測定したOECDの所得格差データベース(IDD)では、メキシコ、チリ、トルコに次いで米国は世界で4番目に格差の大きい国とされている。

最新の調査では格差がさらに開き、トップ1%の所有資産は全体の38.6%、ボトム90%の所有資産は22.8%という、米国史上始まって以来の水準に達している。

この格差は所有資産だけに留まらず、所得にも該当する。トップ1%の2016年の所得は全体の23.8%であったのに対し、ボトム90%の所得は49.7%。1992年と比較すると、トップ1%の所得は3.5ポイント増えたが、ボトム90%の所得は10.3ポイントも減った。