昨日の海外時間には、週末に行われたスペイン・カタルーニャ州の住民投票を巡る混乱を嫌気してユーロが軟調に推移しました。一方ドル円は米長期金利がやや低下したこともあって小緩みました。

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(写真=PIXTA)

欧州時間序盤、週末に行われたスペイン・カタルーニャ州の住民投票を巡る混乱を嫌気してユーロが一段安となって、ユーロドルは1.1730付近まで、ユーロ円は132.30円台まで、ドル円も112.70円台まで下落しました。

NY時間午前にかけて、米長期金利が低下したことから全般的にドル売りが優勢となって、ドル円は112.50円台まで下落し、ユーロドルは1.1760台まで反発しました。その後発表された米・9月ISM製造業景況指数が予想よりも良い結果だったことから米長期金利が一旦上昇し、ドル円も112.90円台まで上昇し、ユーロドルは1.1730台まで下落しました。しかし米長期金利がすぐに低下したことからドル買いも続かず、ドル円は112.50円台まで下落し、ユーロドルは1.1750台まで反発しました。

NY時間午後にかけては、再びユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.1730付近まで、ユーロ円は132.10円台まで下落しましたが、ドル円は122.60円台を中心としたレンジ取引となりました。

東京時間にはいってからは、仲値にかけて円売りが強まりました。

このあと東京時間12時半に豪中銀の政策金利発表があります。金利の変更は予想されていませんが、声明の内容がタカ派的なものだった場合は、このところ豪ドルは弱含みの展開だっただけに比較的大きく反発する可能性があります。

今日の海外時間には英・9月建設業PMI、ユーロ圏・8月生産者物価指数の発表のほか、パウエル・FRB理事の講演が予定されています。

FF金利先物による年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは約75%となっています。

ドル円はアジア時間には米長期金利が堅調に推移して上昇しましたが、その後米長期金利がやや低下したことから一旦は112円台半ばまで下落しました。今後7月につけた114円台半ばを試せるかどうかも米長期金利の動きが一番重要と考えられます。一方衆議院選挙では、小池都知事の立候補の可能性が後退していると見られ、そのことは株式市場にはポジティブな影響を与えていることから円売りがやや強まっています。このあとも東京時間中日経平均が堅調に推移すれば、ドル円も堅調に推移すると予想します。ただ、海外時間にはいってからは、米長期金利が上昇しなかった場合は再び112円台後半に下落するのではないでしょうか。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。