日経平均予想レンジ20,411~21,000円

今週は、堅調な米経済指標を受けた米国株高や円安基調を維持するなど良好な外部環境を背景に、日経平均は2015年8/11以来の高値(20,721円)を付け、年初来高値を更新した。TOPIXも2015年8/11以来の高値に進んだ。

海外の焦点

米国市場では、米景気の先行きに対する期待が再び盛り上がり、史上最高値を更新している。9月ISM製造業景況指数は60.8と13年ぶりの高水準を記録。8月建設支出、9月新車販売など、大型ハリケーンに相次ぎ直撃されて被害を受けたが、買い替え需要もあって総じて堅調さが示された。

又、トランプ大統領とムニューシン財務長官がFRBの元理事のタカ派と知られるケビン・ウォーシュ氏との面会で、来年2月に交代期を迎えるFRB議長の人選が大詰めの段階に入ったことを窺わせている。市場では、利上げに積極的な同氏に交代となれば、金融政策のスタンスも変わる可能性があるとの見方が広がっている。

国内の焦点

注目の衆院選は、3極が争う構図となってきた。希望の党代表の小池都知事が衆院選に出馬しない考えが報じられ、与党勝利の確度の高まりにより、国内政局に対する過度な懸念が後退したことが楽観論を誘っている。

投資主体者売買動向を見ると、9月に入って現物は証券自己が1.66兆円買い越しに対し、外国人が7,700億円売り越した。一方、先物は証券自己が1.3兆円売り越し、外国人は2.2兆円買い越した。所謂、9月の急騰相場では、証券自己の裁定買いを誘発した外国人の先物買いが原動力となったことが推測される。

海外勢は7、8月で先物を1.5兆円売り越しており、買戻し先行から逆に7,000億円買い越しに転じている。短期筋の買いと推測されるだけに、更に追随買いしてくるのか、その動向は注視しておきたい。

来週の株式相場

テクニカル面では、25日騰落レシオが120%台で高止まりし、25、75日線のゴールデンクロスで短期的な過熱感が発生しやすい。ただ、4月のリバウンド局面でも、25、75日線のゴールデンクロス時は25日線を下値サポートとしてもみ合ったが、中期的には上昇基調を示唆するシグナルとなった。目先は、20,500円台で値固めのあと上値を試す展開となりそうだ。

以上、来週は4日間立ち合いとなるが、引き続き良好な外部環境を背景に米国株に比べての割安感が意識され、値固めから2015年高値(20,952円)挑戦の局面と捉えている。日経平均のレンジは、上値は節目の21,000円が意識され、下値は10/2窓埋め20,411円が目処となろう。

株式見通し10-6

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト