転職先で必須となる「アンラーニング」とは?

かといって、スペシャリストでなければ地方で働けないわけではありません。入社後にさまざまな部署や職種を経験しながら管理職になったジェネラリストも、地方での潜在ニーズは非常に高いものがあります。

地方の企業が抱える課題の一つとして移住者が挙げるものに、生産性があります。仕事の効率化やタイムマネジメントについては、都市のほうが活発に行なわれていると言えるかもしれません。この意味でも、都市部の中間管理職世代も、マネジメント経験を活かして地方で活躍できる可能性は十分あります。

ただし、いくら優れたやり方を提案しても、もともとその地域にいる人からすれば「よそ者に言われたくない」という感情を抱くもの。かといって何もせずにいたら、職場に貢献できません。問われるのは「周囲との軋轢を乗り越える力」です。興味深いことに、転職後に業績貢献をしたと答えた人ほど、職場での軋轢も経験しています。

軋轢を乗り越えて活躍する条件の一つは、「アンラーニング(学習棄却)」の実践です。

これは「それまで身につけた経験・やり方をあえて捨てる」という意味。たとえ都市の大企業で成功した業務効率化の施策でも、地方の中小企業の風土や仕組みには合わないこともあります。それを上から目線で押しつければ、軋轢が生じやすくなって当然です。やみくもに以前のやり方を押しつけるのではなく、本当にそこで役立つノウハウや情報を見極め、時には自分から過去の知見を捨てる判断も必要ということ。私たちの調査でも、アンラーニングを実践した人は、しなかった人と比べて、転職先の業績に貢献したと回答した割合が約20ポイント高いという結果が出ています。