日経平均予想レンジ21,155~21,680円
今週は、拡大が続く米景気をはじめ、好調な国内企業業績に対する期待感を背景に、日経平均は連日年初来高値を更新し、1961年1月に記録した14連騰に並んだ。米国株が過去最高値を更新するなど、世界的にリスク資産への投資が続いていることが追い風となっている。
海外の焦点
米国では、今週から7-9月期企業決算が本格化してきた。主要500社の最終利益は4-6月期の2桁増益がハリケーンの影響もあって4.8%増益に鈍化すると見られているが、10-12月期予想では、増益率は4-6月期水準の12%近辺まで持ち直す模様。
NYダウは、良好なファンダメンタルズや企業業績への期待感から昨年末の19,762ドルから直近高値(10/19)23,163ドルまで約17.2%と押し目らしい押し目もなく上昇してきた。足元では史上最高値更新で高値警戒感もあることは確か。混乱が続くFRB後任人事や米減税策の行方など、不透明感が強いだけに神経を尖らせる要因として警戒は怠れない。
国内の焦点
日経平均は2015年高値を抜け、1996年10/18以来となる21,503円まで買い進まれた。2015年当時、日経平均採用225銘柄の1株当たり予想利益は1,270円台であった。日経平均はPER16.3倍まで買われ、取引時間中の高値20,952円を付けた。足元では1,430円に水準を切り上げており、2015年に見合うPER16.3倍では23,300円となる。本格化する4-9月期企業決算では、予想利益が上方修正される期待は大きい。
なお、今回の反騰相場では、適度な調整を交えながら、格言の「いつか来た道」を辿り、1996年高値22,666円を目指すトレンドを形成する可能性は捨てきれない。
テクニカル面では、25日騰落レシオが138.63%(10/17)に加え、日経平均は14連騰を記録し、過熱感が指摘される。ただ、主要移動平均線との乖離に過熱感は見られず上値余地は残している。目先的には、過熱感を冷ます適度な調整が欲しい所。しかし、上昇過程で押さずに上昇したことで、押し目があれば買い場を模索する投資家は多いと思われる。従って、日柄調整程度の自律調整後は再び上値を探る展開が想定される。
来週の株式相場
以上、来週は世界的な景気拡大を背景に、国内企業業績に対する期待は根強く、堅調地合いが見込まれる。又、選挙後の安定政権を織り込む動きは継続しそうだ。ただ、日経平均は連騰による過熱感が強く、米国株次第だが、短期的な過熱感を冷ます調整は視野に入れておきたい。日経平均のレンジは上値は25日線の5%乖離21,680円付近が目処となり、下値は10/13終値21,155円が意識されよう。
伊藤嘉洋
岡三オンライン証券
チーフストラテジスト