ソーシャルレンディング型の不動産投資は、投資物件を購入して運用を行う不動産投資と比較して初期費用がほとんど必要なく、煩雑な手続きもない。不動産投資に興味はあるが、実物資産運用に抵抗がある個人投資家には向いているかもしれない。

「ソーシャルレンディング型の不動産投資」のメリット

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(写真=NOBUHIRO ASADA/Shutterstock.com)

ソーシャルレンディング型の不動産投資では、資金を投じる先(融資先)は不動産事業主だ。融資を受けた不動産事業主は物件を購入してリノベーションし、物件価値を高めて売却、利益を融資者に還元をする。もともとは富裕層や機関投資家向けの投資形式であったが、ソーシャルレンディングで個人投資家も利用できるようになった。

ソーシャルレンディング型の不動産投資のメリットは、「少ない出資金で安定的なインカムゲイン」を期待できることだ。実物運用をする不動産投資では物件の選定に時間がかかり、物件購入のために数千万円の資金確保が必要なこともある。物件選定を誤るとインカムゲインは得られず、収支がマイナスになることもある。にもかかわらず資産の流動性が低いため、一度決定した投資の方向性を返還することは難しい。

J-REITでは安定的なインカムゲインを得ることはできるが、運用手数料などのコストがかかり、価格変動によってインカムゲインが売却益を上回るケースもある。少額から投資はできるものの、インカムゲインのみを目的にして運用をするにはややリスクが高い。

しかしソーシャルレンディング型の不動産投資では、運用手数料がなく、1万円という少額から投資できる。さらに運用利回りも年利3~5%と高く、運用期間も最長でも3年と短期間。安定的なインカムゲインと資金の流動性を確保したい個人投資家には向いている。

「ソーシャルレンディング型の不動産投資」のデメリット

一方で、資金繰り悪化による貸し倒れ(デフォルト)に元本割れのリスクがつきまとう。運営会社が物件の厳しい審査を行い、万が一の場合は担保で補償されるため、2017年10月22日現在、ソーシャルレンディング型の不動産投資のデフォルトで個人投資家が大きな損失を被ったという発表はない。

しかし、運営会社の経営の悪化や大規模震災でデフォルトが起きる可能性はある。そのためソーシャルレンディング型の不動産投資を行う際は、運営会社や物件を複数選ぶなどしてリスクを分散する必要があるだろう。

主なソーシャルレンディングサービス3つ

不動産投資に特化したソーシャルレンディングサービスをいくつか紹介する。

Owners Book (ロードスターキャピタル) 日本初の不動産に特化したソーシャルレンディング

Owners Book(オーナーズブック)は2014年9月にサービスを開始した日本初の不動産に特化したソーシャルレンディングサービスであり、物件や交通の状況、物件の評価額の開示など情報の透明度が高いのが特徴である。またSNSを活用し投資家の情報や知識、経験を共有するサービスも提供しており、不動産投資初心者において多くの個人投資家の意見を聞きながら、不動産投資への見識を高めることができる。

TATERU FANDING (インベスタークラウド) 上場企業が提供

TATERU FANDING(タテル・ファンディング)は一部上場企業の株式会社インベスタークラウド <1435> が提供をしているサービスであり、美しい色彩のサイトや直観的インターフェースによるアプリなどが提供されている。まだ物件自体の数は少ないが、同社の不動産データベースや強固な経営基盤から発展が期待されている。

LC LENDING (LCレンディング) REIT型のソーシャルレンディングサービス

LC LENDING(エルシー・レンディング)は不動産証券化を行っているREIT型のソーシャルレンディングサービスである。J-REITとは異なり、上場をしていないため市場取引による価格変動はなく、安定的なインカムゲインを得ることができる。同社の親会社はLC ホールディングス株式会社 <8938> 。安定した経営基盤があり、投資先が債務不履行を起こした場合、LCホールディングスが元本と利息の補償を行う「保証付ファンド」もある。

不動産ソーシャルレンディングの今後

投資用不動産の運用資産規模において国内独立系1位のケネディクス <4321> と野村総合研究所の出資による設立されたビットリアリティが、2018年年明けからソーシャルレンディングサービスを提供するという。ビットリアリティでは機関投資家向けの組成の私募ファンドへも個人投資家が参加できる。より個人投資家の不動産投資への多様性が広がりつつある。

まだ日本国内では、サービス誕生から日が経っておらず、情報量の少なさから敬遠されがちなソーシャルレンディング型の不動産投資だが、ミドルリスク・ミドルリターンの投資に関心があるなら検討してみるといいだろう。(ZUU online編集部)

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